メイドのメリー
―アリスの部屋―
ドアをコンコンと叩く音が聞こえた。
「はい……?」
「メリーです。朝食にしませんか?」
サタンのメイド・メリーがアリスの泊まっている部屋へ入ってきた。
「嬉しい…!! いただきます!!」
昨夜は何も食べてなくてアリスのお腹はペコペコだった。
「あの…メリーさんも一緒に食べませんか?」
「ふふっ…実はそのつもりで沢山持って来たの☆」
「ありがとう…メリーさん」
「メリーで良いわよ!」
メリーはサンドウィッチやスクランブルエッグ、ソーセージ、スープ等を持って来てくれた。
「アリスはコーヒーと紅茶、どっちにする?」
「ではコーヒーをお願いします」
メリーが「はい、どうぞ」と温かいコーヒーを淹れてくれた。
「ん…美味しいです」
「良かった……☆」
「メリーは、メイド歴長いのですか?」
「えぇ…10年くらいになるかしら?」
雇われた当時サタンは年齢不詳だったが、メリーは15才だった。
「サタン坊っちゃまの見た目は5才くらいだったかしらねぇ……」
「メリーは大先輩ですね!!」
「ふふっ…そうかしら?アリスは?」
「私はマリア様が12才の頃に アレクサンドロ家に雇われました。」
当時マリアは12才。アリスは11才だった。メイド歴は4年になる。
「えっ…11才でメイドに?スゴいわ~!! 貴女の方が先輩じゃない!!」
「そんな…私なんて!! 15才でもスゴいじゃないですか!!」
「そうかな?」と、メリーは嬉しそうに笑った。
「…じゃあ、マリア様にとって貴女はお姉さんみたいな関係なのね☆」
「はい……」
アリスが表情を曇らせるとメリーは、アリスの背中をポンポンと優しく叩いた。
「マリア様の事ならきっと大丈夫よ!!」
「メリー……?」
「実はね……サタン様から“マリアにもし何か遭ったらマリアのお兄様を直ぐに呼んで欲しい”と頼まれていたの」
「……!!」
サタン様がそんな事を……。