ウィンディの昔話
午前0時……。
私は明日の決戦を前に 中々眠りにつく事が出来ないでいた。
「(ウィンディーネ…)」
私はアクアクリスタルに小声で話し掛けてみた。
『…何じゃマリア?眠れんのか?』
「はい……」
『仕方無いの……我の昔話でもしてあげようか』
「ウィンディの昔話……?」
……って、ウィンディは何歳なの?
見た目は少女だけど 中身は違うのかな?
『…気になるか? これは仮の姿じゃ』
「あっ…ごめんなさい……!!」
ウィンディは、心の声が聞こえるんだったわね。
ウィンディは、『構わぬよ』とクスクスと笑って 昔話を始めた。
『昔々…あるところに この湖に良く遊びに来てくれる 小さな娘が居った。5才くらいの小娘じゃ』
「…………」
その娘は、我を少しも恐れずに 良く話し掛けてくれた。まるで友達みたいにの…。
我も、その娘が話し掛けてくれるのがとても楽しかった。
その娘に嫌われたくなくて 我はずっとこの姿でいる事にしたのじゃ。
しかしある日 その娘が足を滑らせてしまい…この湖に落っこちてしまったのじゃ。
「えっ……!?」
『勿論 我の力で助ける事が出来たが……娘は、溺れてしまった事が トラウマとなったのか…それとも家族から もうこの湖に近付かない様に反対されたのか。 この湖へ来る事はなくなってしまったのじゃ』
「…………」