マリアの能力
「ところでマリアさん」
「はい……?」
「マリアさんの使える能力って何ですか?」
「あっ、それキララも聞きたい!!」
セーラ姫とキララちゃんが キラキラした眼で私を見つめてる。
(クロウはまた眠そうな顔に戻った)
「……私 能力は何もありません」
「へっ?」「嘘でしょ……!?」
二人がびっくりしている。
それもその筈………。
「「魔族なのに……!?!?」」
「(うっ……汗)」
キララちゃんやクロウ君にも能力があるのに、魔族の私に能力が無いなんて、驚かれても仕方がない。
「……そんなのおかしいよ!! 本当はスゴイ能力があるけど 隠してるんじゃ無い?」
「えっと…そうじゃなくて……」
私は家族から「マリアには何も能力が無い」と言われながら育てられたから、自分には何も能力が無いと思っている…と言う事を キララとセーラ姫に話した。
「う~ん…ますます怪しいわ!!」
「えっ……?」
「……それって 本当に能力が無いのかは、自分の目で確かめた事が無いって事でしょう?」
「そう…ですね」
この世界では平均で6才の頃(早い子では3才の時) 何かしら能力が芽生えるらしいのだが……。
「(前世 私は人間だったからなぁ……)」
「そーだ…クロウ!! ちょっと“アレ”貸して!!」
「うっ…うん? ふぁい……」
「(アレ……?)」
クロウは、眠そうにポケットから ゴソゴソと小さな水晶玉を取り出して キララへ渡した。
「この水晶玉はね…自分の能力を教えてくれるの。これを握ってみて」
「こ…こう……?」
私は、「どうせ何も起きないだろう」と諦めながら その水晶玉を両手で包み込むように握ってみた。
すると―――。
パアァァッ………!!!!
「………!?!?」「わぁッ……!?!?」
手の中の水晶玉が眩しく黄金色に光った……!?!?




