黒い指輪
―ルシアの想い―
「…………」
ルシアは 無言で“ある箱”を開けた。
箱の中に入っていたのは 黒い指輪。
「(これを使う時が来たのね……)」
イヴ……。
貴女の事は 親友だと思っていたわ。
そう……あの日が来るまでは。
数年前―――。
ルシアとイヴ…そしてアダムの3人は 仲の良い親友だった。
ルシアはイヴもアダムも大好きだったが アダムには恋愛感情を抱いていた……。
勿論イヴはその事を知っていた。
「ルシアとアダムが 上手く行く様に 私 協力するから!!」
「うん…ありがとう……!!」
しかし―――。
「えっ…妊娠したかも知れない!?」
「……うん」
「相手は誰なの……!?」
「…そ、それは―――」
「まさか……アダム?」
「………!!」
「アダムなのね?」
「ごっ…ごめんなさい…!!」
ルシアは何となく気付いていた。
アダムは 自分ではなくイヴを愛している事を……。
イヴはルシアの気持ちを知っていたので アダムの告白をずっと断り続けていたのだが……。
しかし アダムの真剣な気持ちを断り切れずに…いつの間にかイヴもアダムを愛する様になったのだ。
それ以来……ルシアはアダムとイヴとは連絡を絶ってしまった―――。
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ルシアは黒い指輪をぎゅっ…!!と握り締めた……。
「皆 私の事を裏切った……その罰は
受けて貰わないと……」