双子の兄 登場
―アリスの想い―
私はマリア様が泊まる筈だったお部屋へ連れて来られました。
「メイドの私がこの様な素敵なお部屋を使わせて頂いて 本当に良いのでしょうか?」
「大丈夫ですよ。他に泊まる方も居らっしゃいませんし……」
「そう…ですか」
「あの……大丈夫ですか?」
私の表情を見て 心配そうにサタン様のメイドが話し掛けてくれました。
「はい……大丈夫です」
「無理…しないで下さいね。…あっ、申し遅れました。私…“メリー”と言います。何かあったら、直ぐに呼んで下さいね」
「ありがとう…メリーさん」
私は、ドアをパタン…と閉めて部屋を見渡した。
「(マリア様……一体 何処に行かれたのですか……?)」
ポロ…ポロ…と涙が溢れ落ちて来た。
『ご自分を責めてはいけません……!! 誰も予想していなかった事が 起きたのですから』
そう…これは私がサタン様へ言った言葉だ。
『マリア様は、心の強い御方です。だからきっと大丈夫です』
あの時まるで自分へ言い聞かせているみたいだった。
今はマリア様のご無事を信じるしかありません………。
―――コンコン……。
「……はっ…はい、どうぞ!!」
私は、ゴシゴシと急いで涙を拭いた。
「あっ…アリス!ヤッホ~☆」
「コラ、はしたないぞ カイト」
隣の青年が “カイト”と呼んだ青年の頭をコツンと叩いた。
「カイト様、リクト様……!!」
マリアの双子兄、カイトとリクトが現れた!!
※カイトが弟で、リクトが兄。




