ありがとうマイカ
―サタン城の外―
「(……あれ?私―――?)」
処刑された筈では……?
これが…死後の世界……?
「…目が覚めましたか?」
「…サッ…サラ様!?」
「(しーっ……!!)」
「(すっ…すみません……!!)」
何故 サラ様が居るの……!?
私……生きてる?
「ここは……?」
「ここはサタン城の外です。私が貴女を逃がしました」
「なっ……!? 何でそんな事を……!!」
「…私が貴女を助けたかったからです」
「でも…バレないでしょうか……?」
「そこはレインが上手くやってくれたから 大丈夫☆」
処刑場には 骨の様なモノが ゴロゴロと散らばっている。それを利用して マイカの死を誤魔化したのだ。
「サラ様。貴女のお母様…イヴ女王はご無事です。とは言え まだ人質の状態は変わりませんが……」
「そうですか……」
イヴ女王が無事だと聞いて 俺はホッとした。
「マイカさんの手紙……読みました」
「…………」
「……貴女は何も悪くないです」
「でもっ…!!」
「貴女が本気でサタンを刺していたなら 私は貴女を助けなかったと思うよ」
「そっ…それは……(汗)」
慌てるマイカを見て 俺はクスクスと笑った。
「貴女は命を懸けて私達を守ってくれたんですね……ありがとう」
「………!!」
「でも…もうこの城には近付かない方が良いです。これからはイヴ女王としてではなく “マイカ”として生きて下さい」
「……はい」
俺がマイカの手を握ると マイカも俺の手を握り返してくれた。
「どうか元気でね……マイカ」
「はい…サラ様もどうかご無事で……!!」
俺はマイカが サタン城から去って行くのを見送った―――。