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森の中で

私はサタン城を出て 森の中を彷徨さまよっていた。


「(うぅッ…さっきから同じ所ばかりぐるぐると 回ってる気がする……)」


マロンちゃんは、きっとレイン達を

呼びに行った筈……。


「…………」


私……こんな場所に隠れてて良いのかな?


……もし今から城へ戻って 私に出来ることって、何かある―――?


―――ガサッ。


「ハッ……!! ア、アリス……?」

『グルル……』


「(し…しまった……!?)」


物音が聞こえ 振り返ると……アリスではなく 魔物が現れた……!!


私には 魔物と戦う能力は無い。

護身用の武器は何も持って無いし…魔法も使えない。


「だ…誰…か―――(ガクガク)」


ダメ…声が思うように出ない……!!


―――こんな所で 死ぬなんて……!!!!


「―――下がって!!!! クロウ!!!!」


「任せて……!! 燃えろ―――!!!!」


―――ボンッ……!!!!


『ギャアアア―――!!!!』

「………!!」


目の前の魔物は 灰となって消えた―――。


魔物を一発で仕留めたのは 黒いローブを身にまとった 可愛い男の子…恐らく黒魔法使いの子だ。


「(小さな子供なのに…一発で……。スゴい魔力だったな……。)」


「お姉さん大丈夫ですか? 怪我はない?」

「う…うん、大丈夫。助けてくれて、ありがとう。貴方達は……?」


「あっ、安心して下さい。ボクたちは 怪しい者ではありません」

「通りすがりの魔法使い キララちゃんでっす☆」

「(通りすがりの…キラキラ…ちゃん?)」

「ボクはクロウです。お姉さんは?」


黒魔法使いのクロウ君と、通りすがりのキラキラちゃん……?

う~ん? 聞いた事無いわね……。


【ファイナル・クエスト】で似たような戦士を見掛けた気はするけど……。


「……私はマリア」

「何故…マリアさんはこんな場所に

独りでいたの?」

「そ、それは………」


「……待って。ここは危険だから 取り合えず湖へ戻りましょうか?マリアさんのケガも治したいし」

「……こんな傷 平気」

「あのねぇ……かすり傷だからって 放っておくのは危険なのよ!!」

「えっ……?」


「それに 貴女は血の匂いがプンプンする。そのままだと またすぐに魔物が近寄って来るわ」

「……わ…分かりました」


この女の子は、白魔法使いの子かな? しっかりしてるなぁ……。


「この森は魔物が沢山いるから 独りだと危ないよ。ボク達と一緒に行こう?」

「………うん」


私は大人しく キララ達と一緒に 「魔物が出ない」と言われる湖へ向かった……。

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