サタンの部屋で
「…ここなら誰にも聞かれないだろう」
「…………」
「マリア…僕はね 母上から勝手に結婚を決められたんだ」
「ルシア様に……?」
そう言えば…私とサタンの結婚を破棄したのは ルシア様だと聞いた。
「だから本当は結婚したくないって思っているよ。サラも僕と同じ気持ちだ」
「そ…そう…なの?」
サラ姫も同じ気持ち……?
だからサラ姫は、あんな事を……?
「それなら…何故、断らなかったの?」
私と結婚する事になっていたのに……!!
「…反対出来なかったんだ。もしも逆らったら サラのお母さん…イヴ女王を殺すと言われたから―――」
「なっ……!?」
イヴ様が人質に……!?
あの子…さっきそんな事 一言も言わなかった!!
それなのに…笑顔で私にサタンと会わせてくれて…こんな風に話をさせてくれて……。
「…でももう僕は母上には従わないって決めたんだ」
「えっ……?」
それってどう言う……??
「明日の結婚式が終わったら 僕はこの城を出る。 結婚式さえ済ませば イヴ女王は解放されるから」
「そんな……!!」
あのルシア様がそれで許される訳が無い……!!
「皆 殺されるわよ!!」
「サラとイヴ女王の事なら大丈夫。助けが向かって来ているらしいから」
「でもッ……貴方は城を出た後どうするつもりなの?」
「…母上に見付からない様に 何処かの小さな村でひっそりと暮らすさ」
……そんなの―――。
「………イヤ」
「えっ……?」
「イヤよ……!!」
「マ…マリア!?」
私はサタンをぐいっ!!と引っ張り……キスをした―――。
「マリア……!!/////」
「貴方の事……愛してる……!!人間になりたくても構わない!!」
このお城が 例えルシア様のモノになっても、関係無い……!!
「だから…私も貴方と一緒に連れて行って……!!」
「………!!」
独りぼっちはもうイヤなの……!!