マリアの気持ち
「………」「………」
サラ姫が居なくなった後 急に無言になった私とサタン。
「あ…あの……」
先に口を開いたのは 私だった。
「な…何?」
「……結婚おめでとう」
「えっ?あ…ありがと……?」
サタンは、首をかしげた。
「(違う…!! こんな事が言いたくて
ここへ連れて来られたんじゃ無いでしょ!!)」
私は頭を横にブンブンと振った。
「…ちっ…違うの!!」
「……えっ?」
「私…貴方の事が好きだったの!! ずっと前から…貴方と知り合った頃から…ずっと―――!!」
「………!!」
私の目から 涙がポロポロとこぼれ落ちた……。
「貴方から 婚約を申し込まれて 嬉しかったのに……何で?何で 急に違う人と結婚する事になったの?」
「そ…それは―――」
サタンは周りを見渡した。
「ちょっと 場所を変えて話そうか……」
「えっ?う…うん……」
「……レイン。それと君は…アリスだね?」
「はい」
「(……アリス? 待っててって言ったのに―――)」
アリスが私の事を心配して すぐ傍で見守っていてくれたようだ。
「レイン、アリス。私はマリアと部屋へ戻る。私が居ない間 サラの事をお願い出来るか?」
「…承知しました」「畏まりました」
「マリア…僕の部屋へ来て」
「うん……」
サタンは私を連れて 自分の部屋へ戻った―――。