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会心の一撃は?
…どうよっ!? 会心の一撃は!?
「…………」
「(あ…あれ……?)」
お姫様……サラは 急に黙ってしまった。
「(私…ちょっと言い過ぎたかしら?)」
「(いえ……大丈夫だと思います)」
「あっ…貴女のお名前は?」
「…私はマリアよ。この子はアリス」
アリスは、サラへ「初めまして」と挨拶した。
「マリアさんは…その…サタンの事が 好きなんですね?」
「……えぇ、そうよ」と、私は素直に認めた。
「サタンと私は…幼馴染みなの」
「………!!」
サタンの事は 全部分かってるつもりだった……なのに……。
「私は……サタンに……強くて逞しい 魔族の王様になって欲しかっただけなの……!!!!」
「……………」
別に 逞しくなくても良いの。
“優しい魔王”でも良いの。
サタンが この魔ノ国を治めてくれる“魔王”にさえなってくれたら……。
そのサタンを 魔族の妻として支えるのは 私の筈だったのに……!!
「貴女と結婚する事になって……私はッ―――」
「(マリア様………)」
「…………」
どうかこのまま サタンの事を諦めて欲しい……!!