ゴロンとしてたら…… 【WEB】
ゴロンとしてたら……
あいも変わらず雪は降っている。
わたしもあいも変わらずゴロンと寝正月。
偶にチラリと窓のそと……雪はふるふる積もってゆくのです。
初東北の雪のぐわいは、どんな降りようなのかと毎日毎日戦々恐々観察の日々なのでありまして……初心者ですからね!
かと言っても大自然にはそんな事等通用致しませんのは佰も承知であります。容赦等御座いませんものですからね。
慣れるしか無いのでありますよ!
基本怠け者のわたしは出不精で御座いまして、余程の事行きたい場所(仕方無く色々な事情で行かなければならない場所も含む)、心象素描のフィールドワーク、お買い物、お仕事以外は、ほぼほぼゴロンとお部屋の虫となっておりまするのでありますのですよ!
そんなゴロンと寝転んでおります、何の変哲も無い窓を隔てたお外には、色んなドラマが御座いましてね。
つい先日も結構遅い時間にですよ〇〇〜っ……〇〇〜っ……と車のライトで川原の土手を照らしながら……お母さんでしょうお方が、子供さんのお名前を、何度も何度も叫ばれているじゃありませんか?
チラリと覗いて……物凄く険しい表情で叫ばれています。
川原の歩道も40cm位は雪が積もったままで、通れ無くなってるのにな?
あんなところに遊ぶ場所とかあるのかな……等と、不思議に思っていると、車に乗られて50m先位でまた降りられて〇〇〜っ……〇〇〜っ……と暫く叫ばれた後、ブーンと帰って行かれとのか、別の場所へと探しに行かれたのかはわかりませんけど……。
心配だよな〜……。
そんな事があっりした、数日たった今日の出来事。
お母さ〜ん! お母さ〜ん! と、子供の泣く声が……窓から覗いてみると……青っ鼻を垂らしながら、ソリを引き摺り子供が泣いていました。
窓を開けてどうしたの? と聞くと……泣きじゃくっていて……必死でソリを引っ張るんだけど、ソリに雪が乗っていたりして幼稚園児位の力では引っ張り切れなくて泣いているのだなと分かりました。
慌てて部屋着にジャンパーだけ羽織って突っ掛けで飛び出して行って、アパートの前の私有道路より1.5m位の高台の上でしたので、お母さんを呼んでる位だから……多分近所の子供だろうなと思い……家何処? と聞くと、彼処と指差してくれたので、よ〜し分かった! ソリをコッチに渡してと手を伸ばすと、見事な青っ鼻を垂らしながらソリの紐を此方へ向けてくれました。
赤いソリを此方に引っ張り、乗っていた雪を下ろして赤いソリを手にしました。
コレ! お家の前置いといたら良いかいと聞くと入口の前に置いといてくれたら後は僕が出来るから!
そう! 壱人で遊んでたの? と、聞くと……お兄ちゃんがアッチで滑ってるけど、帰りたくなったから、おいて帰って来たんだ! お兄ちゃんには帰るって言ったの? んんんと、悪びれる様子も無く青っ鼻を揺ら揺ら首を降る。
お家まで戻れるの? うん大丈夫! 何時も遊んでるから。
そう! じゃあ赤いソリ、ココ置いとくね!
うん! そこでいいよ!
と、置き場所を確認してソリを置いて……此方へ降りて来るまで目で追いながら……無事にお家の所まで降りて来たので、じゃあねと部屋へと戻りました(ああ……川原の所が雪遊びの場所になってるんだなと思いながら……)。
暫くしてお兄ちゃんらしき小学生位の子供が黄色いスキーで戻って来ました。
ゴロンと横になってても、窓の外では小さな物語が紡がれているのでした。