序章第四話 クロのとある激高
登場人物の考えてることがグロイうえに物騒です。注意。
ああ、この気持ちは何と云うのだったっけ――。
目の前にはあの子が転がっている。
私の気に入っている右が白で、左が黒の左右で色が違う瞳も潰されているし、白い髪も血の色で真っ赤に染まっていて、腹からは内臓であろう、赤黒くてゼリーみたいにプルプルした物が飛び出て、頭からは脳みそであろう物も見える。一目瞭然だ。こんなの疑いようがない。
ああ、君は死んだのか。白。
「あーあ。だから危ないってあれほど言いましたのに。ちゃんと聞かないからこんな事になったんですよー」
隣では黒い髪に金の目をした喧しいメイドが何やら愚痴を溢している。だがそれには癪だが同意しよう。あれほど夜道は危ないと言ったのに、その注意を無視してこんな夜中(現在九時)に出歩いているのだから。だけれどその注意を真剣に聞く気はないのだろう。どんな事になっても。だって君は、どんな死を味わおうとも、最後の最後まで、
死を恐れる事は、しないのだから。
だから死んだのに、反省も後悔も、君はしないのだろう。
仕方ないので、ここはもう諦めて怒りのベクトルを百八十度くらい方向転換するとしよう。そもそも殺した方に全面的に責があるのだし、当然と云えば当然だ。
まあ端からそいつを許すつもりなど雀の涙ほど、否、単細胞生物の涙ほどもない。つまりはゼロだ。
だってそうだろう、許せるはずがない。そいつの内臓を引きずり出して晒そうとも、頭蓋骨を破壊し、そこから脳みそを取り出してグチャグチャにすり潰そうとも、白と同じ、もしくはより酷い状態にしようとも、私の思いつく限りの酷い拷問の末殺そうとも、許すつもりなどないのだ。絶対に、永遠に、永久に、私はそいつを許しはしない。
だから、あの子を傷つけた事を後悔しても足りないくらいの、餓鬼も、閻魔すらも裸足で逃げ出すような地獄を味わわせてやろう。
待っていろ人殺し。
私の、クロと云う悪魔の怒りを、腹が破裂するくらいに、喰らわせてやる。
これで主要人物は全員登場です。
駄文なのは相変わらずだけど、考えることが物騒ですねこの話のヒロイン。