序章第二話 谷川芙蓉のとある告白
人を殺す描写があります。そこまでグロくないつもりですが、見る人によってはグロイ、かも?
ああ、気持ち悪い。
ついさっき人間の死体を見てしまった。全身を刃物で切り刻まれている上に、所々皮膚は無いし、骨は飛び出ていて、もう原形を留めていないくらいグチャグチャな、人だった物。
可哀想に、どうせそこら辺の殺人鬼にでも殺されたんだろう。殺人鬼なんてそこら辺にいるし。まさかこの世に存在する殺人鬼が切り裂きジャックの様な、有名な物だけなんて、そんな事などないのだから、きっとそこら辺に、探せば何処にでも居るのだろう。そして殺人鬼は、私の町にも居た。だからこれは、きっとその殺人鬼にでも殺されたんだろう。否、きっとじゃない、これは殺人鬼に殺されたなれの果てだ。
だってこれは、私がやったから。
突然だが告白しよう。私、谷川芙蓉は、殺人鬼をやっている。
今夜でもう六人目だ。中には植物園や、釣りが出来るような池がある、結構大きな公園だった。
いつものように日本刀で背中をぶっ刺して、思いっきり引き抜いた。刀には、血と脂がビッシリこびり付いていた。
そのあとも、刺して刺して、何かドロドロしたモノが出てきたけど気にしない。ブスブス刺して、ドロドロ出して、グチャグチャ潰す。いつものように、イツモノヨウニ。目を刺して首を刺して心臓を刺して骨を潰して筋を潰して刺して潰して刺して潰して、その繰り返し、繰り返して繰り返して――――
最後に残ったのは、もはや人間だったのかも怪しい、腐敗臭のする汚物だった。
私はその、物言わぬ死体になり果てたものを残して家路についた。事後処理のことは気にしない。それはあいつが何とかしてくれるらしい。
まるでどっかの旅館のような豪奢で荘厳な日本庭園。私の家を簡単に説明するならばこうなる。そう、そんな昔の武士や貴族が住んでそうな、明らかに高そうで無駄にでかい屋敷に私は住んでいる。いや、正確に言うならばその敷地内にある、本館と比べれば小さいとしか言いようがない別館に、なのだけれど。
そこのトイレに私は居る。日本庭園のくせに水洗トイレの便座だ。まあボットンでも困るんだけど。
「うげぇ」
胃の中の者が込み上げてきた。我慢しないでそのまま吐いた。
あの死体が頭から離れない。ブスブス刺したらグチャグチャ鳴ってドロドロした物がデロデロ出 てきて、それが忘れられない。人だった物は喋らない、喋って動いていた者でも、もう動かない。私がそうした私がやった。喋っていたのに 喋らない、動いていたのに 動かない、それがあまりにも生々しくて、生き生きしくて、現実で、変えられなくて、戻れなくて、それが気持ち悪くてしかたない。でもやめられなくて、とめられなくて、足りなくて、殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ。
ああ気持ち悪い気持ち悪い、とても、とても、気持ち悪い――――――。
色々おかしかったり駄文なのは気にしないでくださいな。