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無職は今日も今日とて迷宮に潜る【3巻下巻12/25出ます!】【1巻重版決定!】  作者: ハマ
8.ネオユートピア

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その後の世界

活動報告にあとがきを上げております。

 奈落の世界に平穏が訪れた。

 といっても、世界の化身クラスの化け物の衝突が無くなっただけで、普通のモンスターからしたら特に変わりは無かった。


 ただ問題はその中間に属するモンスター。

 ともすれば、世界の化身を倒す可能性を持っており、上位の存在にのし上がる者や、正面から戦い討伐してしまう反則野郎になってしまう奴もいた。


 そんな彼らの扱いだが、基本的にこれまでと変わらない。


 数がそれほど多くないのも理由だが、本能でとある場所を目指すということが判明しているからだ。


 その場所とは、世界樹ユグドラシル。

 世界の化身の一柱でありながら、その力は信じられないほど弱い。

 戦闘が不向きというのは確かにあるが、奈落で争う力が無いというのは致命的である。


 そんなユグドラシルを目指すのは、手っ取り早く取り込んで、己を強化する為である。


 以前は聖龍が守っていたが、不在の今、狙って来る愚か者がいる。


 頭部が筒状になり、体は羽のない昆虫。

 体は大きく、森の木々を簡単になぎ倒すほどの力を持っている。

 地を這いながら迫るモンスター。

 頭部の筒から、魔法の砲弾が連続して発射される。


 狙うはユグドラシル。

 守護者達が抵抗しているが、足止めも出来ていない。


 このままでは、ユグドラシルに届いてしまう。


 そう思った時、地面が盛り上がり、ある一体の世界の化身が姿を現す。


 それは巨大な黒い蛇。

 名をウロボロスという。


 ウロボロスは、虫のモンスターを丸呑みにすると、ユグドラシルを一瞥。

 そして、何も言わずに地中に潜り去って行った。


 去るウロボロスを見つめるのは、エメラルド色の髪を持つ少女。

 世界樹ユグドラシルの化身である。


『何とも無愛想なもんじゃのう……』


 苦笑するユグドラシルに、守護者であるミューレは言う。


『良いではありませんか、ウロボロスも無理矢理やらされているのですから』


 ウロボロスがここを守るのは、メシアからの命令である。

 そのメシアも、イルミンスールから指示を受けており、ウロボロスは番犬扱いされていた。


『まあそれも、聖龍が復活すれば必要無くなるのだがな』


『まだまだ時間は掛かりますが、そうですね』


 聖龍は、あと四百年から五百年は転生の為の力を溜めなくてはならない。これを疎かにすれば、転生体は虚弱な力しか持てなくなってしまう。


 だから、ここは待つしかないのだ。


『……そろそろですかね?』


『そうじゃな』


 もう間もなく、新たな世界がこの奈落に取り込まれる。


 それも、今回は二つ同時にである。


 これまで迷宮として使われていた世界と、次に迷宮となるはずだった世界。


 この二つが、この世界に加わるのだ。


『どうするつもりかのう? あやつは、これまで通りにはさせないと言っておったが』


『彼ならば、あっと驚くようなことをやってしまいそうですね』


 思い浮かべるのは太った男。

 今はかなりスマートな姿になっているが、出会った当初の印象が強過ぎて、そのイメージで固まってしまっていた。


 世界に風が吹き始める。

 基本的に、この世界では風は吹かない。

 風が起こるのは、何かが起こっている時だけである。

 そして、今回の風は、新たな世界が加わって起こった現象だ。


 風が吹き荒れると、大地が大きく揺れる。


 どうやら無事に、世界は奈落へと取り込まれたようである。


『……むっ、風が止まぬな?』


『そうですね、まだ続いているのでしょうか?』


 いつもなら風は止むのだが、今は弱い風が吹いている。

 何者かによって起こされたものでもなく、ただ一定の速度で吹いていた。


 何が起こっているのかと辺りを見回していると、ミューレが何かを見付けたようで、上空を指差している。


『おお、これは……まさか、このようなことが可能だとは……』


 何かやるだろうとは思っていた。

 それが、これほど壮大なものだとは思わなかった。


 ユグドラシルが見上げた先には、遥か上空に浮かぶ青い星の姿があった。

これにて本編完結。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
途中更新が止まった時は心配だったけど、最後まで走り抜けてくれて良かった。世界観もそうだけど、主人公の性格や言動、登場人物との掛け合いがとても面白かった。 完結おめでとう!面白い作品と作者に感謝!
なかなか時間が取れず正月休みに一気読みしようと思っている内に完結してしまっていました。 嬉しいやら寂しいやら。 書籍の3の下はこれから読みますが、悲しいエピソードに入りそうで本を開けない…。 完結、…
完結おめでとうございます! ハルトの活躍はとても楽しかったです。 その後の話も期待してます。 「高校生は今日も迷宮に向かう」の続きも是非ー!!
感想一覧
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