三日目
ダンジョン二階でツノ兎を倒していく。
昨日は盾に穴を開ける失態を演じたが、帰って『ツノ兎 倒し方』と検索するとツノ兎の倒し方がそのまんま載っていた。しかも動画付きで。
ツノ兎は一直線にしか跳ばず、一回避けてしまえば背後から叩いて終わりらしかった。
情報は正しく、横に避けたらツノ兎は俺を見失い、キョロキョロと辺りを見回していた。
再び襲ってくるツノ兎だが、横に避けてじっくり観察してみると、跳躍した瞬間に目を閉じていた。
いや、何でやねん。
着地したツノ兎を二、三度叩いて倒す。
そこからは順調にツノ兎を狩っていき、本日は十羽目のツノ兎を狩った。
もうツノ兎は敵ではない。
狩るだけの獲物だ。
金には成らんがな。
二時間掛けて十羽狩っても1000円にしか成らない。
こんなんやってられないとバイト以下の収入に嫌気が差して、次の階に向かう事にした。
そうそう、昨日は魔法を使って疲れていたが、あれは魔力不足によるものらしい。
ダンジョンから出て、一時間もすれば体調は元通りになっていた。
魔力は訓練すれば増えていくそうだが、その限界は人によってまちまちらしい。レベルが上がっても増える事があるそうだが、それは魔法を専門に使っている人達に見られる現象のようだ。
まあ、俺は次の職が見つかるまでの繋ぎでしか探索者をやってないので、関係のない話ではある。
次の階に続く階段を探していると、目の前に百羽のツノ兎が現れた。
……。
俺は逃げ出した。
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田中 ハルト(24)
レベル 3
スキル 地属性魔法
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