表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/80

みんなでプール



8月のある日、皆の部活が休みだったので直人たちと4人でプールに行くことにした。元々は裕子と麗奈の提案だった。俺は麗奈の水着を見るのは初めてなので、ちょっとドキドキしていた。普段エッチをやっていてもこれは別問題である。


待ち合わせ場所で集合してプールに向かいチケットを購入して入場する。



「それじゃ 着替え終わったらあそこのベンチで待ってて」

裕子はそう言って麗奈と一緒に着替えに行った。


「俺達もさっさと着替えようか」

直人がそう言って俺と一緒に着替えに行く。



当然、俺たちの方が早く着替え終わりベンチで暇そうに俺と直人で待っていると、ちょっと派手な女の子2人が話しかけてきた。直人が面白がって何かに話している時に麗奈と裕子が着替え終わって俺達の方へ歩いてきた。


俺は「ヤバイ」と思った。麗奈があの強烈な表情に変貌すると思って俺が固まっていた。


「健司君、直人君、着替え終わったよ~」


そう言って、麗奈は裕子と共ににこやかな表情で近くに来た。麗奈と裕子を見た派手目の女の子たちは顔をそむけて向こうに行った。俺は、麗奈の変化に驚いた。以前だったら近くにいる女の子を脅していたのに、今は凄く落ち着いている。


「やっぱり、私の健司君はモテるね。でも健司君は私のものだもんね」


そう言って俺に腕を組んで寄り添ってくる。俺はそんな麗奈の変化に驚いた。やっぱり愛理さんと遊んだあの日から何か心境の変化があったのだろうと思う。麗奈は自信を持っている。俺から見るとそれでも控えめなぐらいだと思うが… 大体周りを見渡しても、麗奈以上に魅力的な女の子などいない。


ただし、直人は裕子にこっぴどく叱られている。(ざまぁ~)

麗奈と裕子はビキニ系の水着を着ていて体形がもろに出てしまう。麗奈も裕子もスタイルは抜群なので、やっぱり周りの視線を集める。裕子も綺麗な顔をしているので、麗奈と一緒に居ると男が集まってくるだろうと簡単に想像できる。


裕子と麗奈は一緒に水着を買いに行ったらしい。俺から一言いいたいのだが、なぜビキニタイプを買う?俺達に見せつけるためかどうかは知らんが、はっきり言って堪能してるのは周りの男たちである事に気づいてほしい。なぜ自分の大事な彼女の素肌を、しかもぎりぎりまで他人に見せなくてはならないのか… 俺には意味が分からない。



裕子の怒りもおさまったので、皆で泳ぐことにした。とりあえず全員泳げるのだが、混雑しているプールなので思いっきり泳げるわけでもない。俺は水泳も得意なのだが、素潜りの方が好きである。1分なら余裕で潜れる。


少し息を吐いて力を抜くと体は水中に沈んでいく。そうして水中から光の差す水面を見上げると、水面がキラキラ光り綺麗なのである。俺は水中に沈み水面を眺めた後、浮き上がってみると麗奈の背後にいた。


びっくりさせてやろうと後ろから麗奈の肩に手を置くと… 物凄い表情で睨まれ、俺の体は氷点下になり凍り付いた。麗奈は俺だと気づくといつもの表情に戻り「健司君のえっち」などと言ってるが、こっちは心臓が止まりそうだった。



昼時になり、裕子と麗奈には席を確保してもらい、俺と直人で食事を買いに行くことにした。混雑してるので4人分が揃うまで結構時間がかかりそうだ。そこで、俺と直人は暇つぶしに予想をすることにした。


俺は3回、直人は5回である。麗奈と裕子に声をかけてくる連中の数を当てる。結果は6回で直人の方が近かった。2回目の時にちょっと直人がイラっとして、裕子のところへ行こうとしたが、俺が引き止める。様子を見ると、麗奈に物凄い目つきで睨まれ、何か言われてしょんぼり帰っていった。俺が、


「行く必要ないだろ」と言うと

「さすがマドンナ」


と言って直人は笑っていた。それ以来、裕子たちに男が近づいても直人は笑いながら見ていた。



「麗奈ちゃん、あっちの滑り台の方へ行ってみよう」

「うん、行こう」


相変わらず彼女たちは楽しそうにはしゃいでいる。4人で遊ぶのは2回目なのだが、もうすっかり仲良くなっている。


「健司、これからは普通に4人で遊べそうだな」


「そうだな 凄く助かるよ」


「裕子にも年上の友達が出来てよかったんじゃねーの、しかもマドンナだし…」


「あんまり麗奈にはマドンナになっていて欲しくないんだけどな…」


「贅沢言うなよ、マドンナの彼氏なんて光栄に思え」


「俺は麗奈がマドンナだから付き合ったわけじゃねーよ」


「どっちでもいいじゃん。おかげで俺はマドンナの水着姿が見れる… 健司、感謝しておくぞ」


ちょっと腹が立ったので、今の発言を裕子に報告すると言ったら直人はジュースを奢ると言ってくれた。やっぱり親友だ。勝手にジュースを奢ってくれるなんて… なんていい奴。



その後は俺達も彼女たちに混ざって、いろんなプールを巡って遊んでいた。


「健司君~ 一緒に泳ごう」


そう言って無邪気に話してくる麗奈を見てすごく幸せを感じる。プールの中で麗奈の手を取って歩いていく。ふと振り向くと、麗奈が一瞬キスをしてすぐに離れる。少し顔を赤らめて


「みんながいるところでしちゃった」


と言って、楽しそうにしている。そんな麗奈を見て俺もなんだか嬉しくなってくる。二人でいると本当に楽しい。俺にとっても離れることなんて考えられない。麗奈のことが大好きだ。



夕方になってそろそろ帰ることになり、直人と裕子と別れて俺達二人で歩いている。


「健司君、たまに練習してるところ見に行っていい?」


「いいけど… 夏場で暑いから気を付けてね」


「どっか涼しいとこで見てるよ」



そんなことを言いながら俺たちは家路に着いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ