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二人の初体験


初体験レポート 健司 Version



俺は意志の弱いダメな人間です… せっかくの計画が…



麗奈にベッドに引き入られて麗奈を抱きしめた。麗奈は半分しか意識がない様子で、何故かしぐさや顔つきが子供のようになっていた。俺の大好きな表情だ。そんな顔で、


「健司君、もっと抱きしめてぇ~」


と、甘えた声で言われる。 たまらなくなって、麗奈を抱きしめキスをする。すると、



「健司君にキスしてもらっちゃった… へへっ 」


そう言った麗奈の表情がたまらなく可愛い。俺は自然と麗奈の服を脱がしていった。初めて直に触る胸。直に触れる体は今まで感じたことのない感覚であり、どんどん深みにはまっていく。



「健司君は私のもの、私は健司君のものだよ」



麗奈にそう言われ、麗奈と一つになりたいと思った。あとは体が勝手に動いていく。



初めての体験をしたが、俺が感じたこと… 当然女の子とそういう体験をして興奮も感じたがそれ以上に麗奈の気持ちが伝わってきた。俺を受け入れてくれている麗奈の表情や俺を抱きしめる麗奈の腕から俺のことを思ってくれている気持ちが直接感じ取れる。 


この感覚は手を繋いで歩いたりしている時とは比べ物にならない。俺も自然に麗奈を強く抱きしめてしまう。 俺も初めての経験でどうしたら良いのか不安だったが、体が勝手に動く。 不思議なのはそうしている時に、俺の気持ちも麗奈に伝えたいと激しく思っていたことだ。 


自分でも何故そうなのか理由は分からない。ただ、自分の感情をもっと麗奈に伝えたかった。 多分、俺に麗奈の気持ちが入り込んできたからなのかな… 本当の意味でつながるとは、こういうことなのかな… なんとなくだがそう感じた。



すべてが終わった後、麗奈は妖艶な表情で満足そうに微笑んでいた。俺は彼女がどう感じたのか気になったが、今はとりあえず一線を越えたんだという自覚を感じている。


もっと麗奈を大切にしてあげないといけない…  麗奈は俺が守っていく… そう感じた。



麗奈さんに一つだけ質問が…  なんでアレ持ってたの?







初体験レポート 麗奈 Version



なんか… 急に健司君が襲ってきた。なんてラッキー!… って思ったんだけど、いざ迫られると思うように反応できない。 私も経験初めてだし… でも何でだろ? 今まであんなに私からに迫ったのに急に健司君からくるなんて… ま、いいか。 そんなことより今が大事!



健司君が私を求めてくる。本当に健司君にとって私が必要なんだと実感できる。すごく嬉しい。服を脱いで直に健司君と触れ合う。健司君のぬくもりが直接感じられる。今までとは比べ物にならない程健司君を感じることが出来る。最後まで行ったとき、何か涙が出そうになった。これでようやく健司君と心も体もつながった。 本能的な喜びよりも、健司君をもっと近くに感じるようになれたことが何よりも嬉しい。


今私は本当に幸せだ。 私の全てをあげる。 健司君の全てが欲しい。 今は言いようのない満足感だけがある。



健司君とつながっていた時、健司君の気持ちが凄く伝わって来た。健司君は本当に私を愛してくれてる。理由は分からない。でも間違いないことだ。健司君が私を大切に思っている気持ちがどんどん私の中に入ってくる。何も考えられない。何も考えたくない。今はこの幸せに暫く浸っていたい……


全てで健司君とつながることが出来て、健司君の気持ちをもっと知ることが出来て… 嬉しい……



健司君は私が思っていた通り、 いえ、それ以上の人だ。 健司君は相手と真剣に向き合う。そして相手の意見をしっかり聞いてくれる。私が求める優しさも自然と分かってくれる。私が健司君に思ってほしいことも自分で感じ取ってくれる。私にはもったいない人かもしれない。本当の私はそこまで良い性格でもない。 多分、健司君だったらそれすらも受け入れてくれる。



私の渇いてた感情に、たっぷりと水を与えて優しさで私の心を満たしてくれる。



離れるのは絶対に嫌!



絶対健司君を離さない。誰にも渡さない。誰にも触れさせない。



私を幸せにしてくれるただ一人の人…



最近、私の中でどうしようもない感情が生まれてきている。本当はこんな我儘な感情はいけないんだろうと分かっているんだけど…  でも私自身にはどうしようもできない……




健司君のいない世界なんて…… 生きていけない… 



―――――――――――



着信があった携帯は麗奈のもので、麗奈の母さんからもうすぐ帰るとの連絡であった。麗奈は電話を切ると、思いっきり俺に抱き着いてきた。そしてキスをする。



「私は健司君の女の子になっちゃったね」



そう言って笑う麗奈の顔は、どことなく大人びた妖艶な感じがした。その大人びた感じは麗奈の顔をより一層綺麗に見せる。本当に満足そうな幸せな表情である。俺はその表情を見て、一線を越えて良かったと感じた。



麗奈が望むならそのようにしてあげたい……




でも、本当はそれがいけなかったのかもしれない……  そんな軽い俺の考えが全ての変化を生み出す原因になっていったのかもしれない…  本当に先に向かって進みたいんであれば、先に進める方法を考えるべきであって、今の感情を満足させるだけでは何も解決しない……



それを思い知るのはもっと後になってからだった。



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