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初めてのお泊り

健司と麗奈が話し合いを終えた後



「それじゃ、夜も遅くなってきたんでパジャマに着替えるね」


そう言って麗奈は… 服を全て脱ぎ始めた。 俺は慌てて部屋の外へ出ようとするが、麗奈が部屋の扉の前に回り込み、扉がふさがれる。



「健司君、別に見てもいいんだよ」


「見ると今日、眠れなくなるんで… 」 とりあえず俺は後ろを向く。


「出来たよ~」


と麗奈が言ったので振り向くと、そこにはブラを外そうとしてる麗奈がいた。


何が出来たんですか? 全部脱げば完成?  最近麗奈は何故かよく暴走する…



「ちゃんとパジャマ着ないと俺はリビングで寝ますよ… 」


「うえぇ~ん そんなこと言わないでぇ~」


パジャマに着替えた麗奈は… 可愛かった。 満足 満足


「それじゃ、寝ましょうか…」 とりあえず、おやすみのキス…


「健司君を抱き枕に~ フフッ」


さすがに抱き枕にされて、暴走されると大変なので腕枕をしてしっかり抱きしめて寝た。麗奈は満足した様子で、腕の中ですぐに眠りについていた。 麗奈の寝顔は可愛い…



朝起きると… 何か違和感が… 何故か俺は上半身裸で、麗奈は胸元で顔をスリスリしていた。


「おはよう 健司君 キャッ…」

朝から何してんですか? どうやって俺の上着脱がしたの… 


麗奈は顔を赤らめて俺の胸元に顔を埋めている。俺はいつ脱いだのかな…


二人で顔を洗っていると


「2人とも朝食出来てるよ」


母さんが俺たちに言う。何故かそれが当たり前の光景のように… 二人とも着替えて、朝食を食べる。


「麗奈ちゃん、またいつでも泊りに来てね」


「ありがとうございます」


「いっそ住んじゃう?」


「ぜひ!」



朝からこの二人は何を言って楽しんでいるのか… 学校へ行く支度をして一緒に家を出る。


「そう言えば、一緒に登校なんて初めてだね」


「そうだね。俺、朝練とかあったしね…」


そう言って、手を繋いで仲良く駅へ向かう。一緒に登校って言っても、まさか同じ家から登校するとは思わなかった。



電車を降りて駅から学校へ向かう。横にいる麗奈はご機嫌の様子。学校に近づくにつれ、いつもより妙に視線を感じる。初めはこちらをちらちら見られることが多いなと思うぐらいだったが、立ち止まって見る者も出始める。



すると、麗奈は俺の腕にしがみつき、余計に密着し始める。校門に差し掛かった時にはほとんどの人の視線を集めていた。 俺はやっと気づいた。


そう言えば、隣で腕を組んで歩いてるのは学校のマドンナだった。しかも、昨日、愛理さんと校門前で麗奈が待ち合わせしていたことも噂になっているので余計に注目を集めている。 どうしよう……


慌てて、組んでいる腕を外そうとするが、麗奈は絶対に外してくれない…


「麗奈、ヤバいって… 俺ら動物園のパンダ並みに注目されてるけど… 」


「一度やってみたかったんだ。みんなの前で私の彼氏を見せつけるの… 」

麗奈はニコニコしながら言う。



「麗奈さん… あんまり優しそうな視線じゃないんだけど…」


「気にしない 気にしない どうせいつかは皆にばれるんだから」


「確かにそうだけどね… 」


「誰かが文句言ってきたら、私に言ってね」



微笑みながら俺に向かって麗奈は言った。 誰か言ってくるの?




教室に入って席について荷物を降ろしていると、直人がやってきた。


「昨日の噂で騒々しくなってるときに、追い打ちをかけるように腕組んで登校か?」


「お前らだって腕組んで登校してるだろ… 」


「俺と裕子の場合と、お前とマドンナの場合じゃ比較にならんだろ」


「どうせいつかばれることだし、別にいいじゃん」

俺が言うと、直人はため息をついて



「皆様が納得してくれるかどうか… 特に3年の先輩方が… 」

あきれるように言った。 俺に言われてもどうしようもない…


「一週間もすれば落ち着くだろ。俺も学校でお前らみたいに彼女と喋りたいし…」


「知らんぞぉ~ そんなに世間は甘くないぞ~」



健司の思惑通りに行くわけもなく、波乱はここから始まる。



麗奈は3年生教室に入り席に着くと、沖本と藤本がやってきた。


「立花、なんか昨日から騒々しいな。もう健司との付き合いは皆にばらすのか?」


「麗奈ちゃんも学校で鈴木君とお弁当食べたりしたいよね~」


「沖本君と藤本さん見てたら、私も学校で仲良くしたいなぁ~って… 」


麗奈は楽しそうに話す。少し照れたその表情は、周りにとっては初めて見るものであった。



3人でそんな話をしているが、周りは少し距離を置いて遠巻きに注目している。

皆、何かに言いたそうではあるが直接言う勇気もない。 沖本と藤本が離れると今度は親友の栞がやってきた。



「麗奈、昨日からどうなってんの? あの子との話の結果は?… 」


「決着はついたわ」


「じゃ、彼女は健司君をあきらめたの?」


「ううん、私と彼女は仲のいい友達になった」


「はぁ~? 言ってる意味わかんないんだけど… 」


「今度、詳しく説明するから… 」


「それと… どーすんのよ、この雰囲気を… 」

周囲はちらちらとこちらの方を見ている。 やっぱり何か言いたそう… 


「なんとかするよ」

麗奈は笑いながら言った。


「それより、栞、聞いてきいてぇ~ なんと、昨日健司君のお部屋に泊まり。今日は一緒にお家から登校してきましたぁ~ えへっ 」


「麗奈、黒板は何色?」


「ピンク!」



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