表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/80

大会終了後

   それから10日後


今日は大会の準々決勝だ。あと3つ勝てば全国大会。 沖本先輩のためにも出来たら一つでも先に進みたい。全力で臨む。試合開始、前半は拮抗した勝負となり0 - 0 。


後半に入り、どちらも点を奪えずにいたが、敵がゴールエリア近くからのフリーキックからのセットプレーにより1点を奪いそのままゲームセット。先輩との最後の大会が終わった。俺も先輩も足を削られ体もボロボロ。先輩との最後のゲームだったので先輩と抱き合い涙した。


悲しい気持ちで着替え終えてロッカーから出ると、藤本さんと麗奈が待っていてくれた。俺と先輩はさっきまで泣いていたが、それは彼女らも同じであった。


「くやしいね。沖本君もあんなに頑張ったのに…」


「ありがとうな藤本。でもいつかは負けるよ」


「健司君、お疲れ様。かっこよかったよ」


「ありがとう、麗奈。もっと頑張れたのに悔しいよ」



全員でのミーティングを終えて解散となった後、俺と先輩は彼女らの方へ向かう。


彼女らは、疲れた自分の彼氏をねぎらい、4人で会場を後にする。




とりあえず、4人でファミレスに入り今日の疲れをいやす。


彼女たちはケーキとドリンクバー,俺と先輩はピザとドリンクバーを頼む。各自ドリンクを用意して、座席に戻り乾杯。


「沖本先輩、お疲れ様でした。」


「健司もお疲れ…」


「 「2人ともお疲れさまでした」 」


負けた悔しさも落ち着いてきたころで、皆で今日の労をねぎらう。



「これからはお前ら2年生がチームの中心だな」


「先輩たちが抜けて、新しいチーム作りが大変ですよ」


「そういえば、私たちは3年生だけど、鈴木君はまだ2年生なんだよね」


藤本さんがそう言うと、沖本先輩も


「立花は大変だな。これからも部活に健司をとられて」


と言った。それに対して麗奈は


「健司君はサッカーが大好きだから仕方ないよ」


そう答えた。そういえば、先輩たちはこれから自由な時間が多くなるんだ…


「沖本先輩は進路とかどうするんですか」


「俺は一応大学に進学するつもりだ」


「藤本さんはどうなんですか?」


俺が質問すると、彼女はこう答えた。


「出来たら沖本君と同じ大学に行きたいな」


そういえば、麗奈はどうするんだろう…


「麗奈はどうするの?」


俺が質問すると、彼女は


「私も大学進学だよ」


と答えた。 そういえば初めて麗奈の進路を聞いたな… そういえば、麗奈は今年受験で来年には離れ離れになるのか…… 俺は何も考えていなかった。ふと進路を聞いて初めて実感した。 なんか…寂しいな…


その気持ちは麗奈も同じであった。正確に言うと麗奈の方が切実に感じていた。


私は来年で卒業… でも健司君はまだ高校3年生。確実に距離が離れる。大学も近くであれば良いが、遠くの大学に進学した場合はめったに健司君に会えなくなる。


どうしよう… そんなのは嫌だ…


最近、不意にそのことが頭をよぎる。その度に心が沈んでいく… 出来るだけ近くの大学へ進学するようにしよう… それでも健司君とは離れ離れになる……



夕方、ファミレスを出た俺たちは、沖田先輩と藤本さんに別れを告げ、麗奈と二人でぶらぶらと街を歩く。


「そういえば俺、麗奈が来年卒業でいなくなるのを考えてなかった。」


「私は考えてたよ。一応受験生だしね。でも健司君と離れることは今は考えたくない」


「麗奈は… 卒業しても俺と続けられる?」


「そんなこと当たり前だけど… 離れること自体が嫌だな…」


「じゃ、こうしよう。俺も麗奈と同じ大学へ進学する。だから先に行って一年間待ってて」


「その一年間がつらいよ。考えるだけで鬱になる。 ううん… やっぱり考えられない」


「そうだな。 まだ時間もあるし、これから考えよう」


「そうなんだけど、… どう考えても辛すぎるもん… 」


「大丈夫! それまでにもっと分かり合える関係になればいいんだから。俺は麗奈だけしか見ないよ。麗奈ともっと強い絆をつくる」


「健司君… ありがとう… なんか…… ぐすん」


麗奈は目を潤ませて少し安心したような顔をして微笑んでいた。



「それより、これから部活の休みも多くなるし、夏休みももうすぐだよ」


「そうだよね。私たちにとって最初で最後の夏休みだもんね。いろんな体験しよ」


「俺の希望は… 出来たら二人で旅行に行きたいかな… 」


「私も、絶対行く!」


「私もお願いがあるんだけど… 」


麗奈は俯いて少し顔を赤くして言う。


「健司君の家に遊びに行きたいな」


「そんなことなら、いつでもいいよ」


「ほんと! じゃ 明日は?」


え、いきなりですか… とりあえず帰ったら大掃除して… 間に合うかな?


「何とかします…」


「やったー 健司君ありがとう 大好き」


そう言って麗奈は、健司の頬にキスをした。これだけ麗奈が喜んでるし… 部活で結構会えなかったしな…


「明日は土曜日で学校は休みだよね、明日は何時に来る?」


「少しでも一緒に居たいから早い時間の方がいい」


「じゃ、十時くらいにする?」


「分かった、じゃ 十時前に健司君の家がある街の駅で待ってるから迎えに来て」


「了解しました」



麗奈は健司にしがみつき、満面の笑みで無邪気にはしゃいでいた。あれ、そういや明日親は両方とも仕事でいないんだっけ? どーしよ… やばい…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ