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麗奈のお迎え

   日曜日の部活終了後


部活終了のときに沖本先輩が、一緒に帰ろうと言ってきた。俺も先輩とその彼女さんの進捗状況などを聞いてみたくてうずうずしていたので、ちょうど良い機会だと思った。駅に向かい歩いていたが、ふと先輩は喫茶店に入ろうといった。中に入り席を探していると… そこには笑顔で手を振る先輩の彼女と麗奈がいた。


「先輩待ち合わせしてたんですか?」


「そうだよ。彼女がどうしても会いたいって言うから。ついでにお前の彼女も呼んどいた」


「本当にびっくりしましたよ。俺の携帯には何の連絡もないんで…」


「こんにちは。私は沖本君の彼女の「藤本美紀」って言います」


「俺は、沖本先輩の後輩で鈴木健司と言います」


「知ってるよ。沖本君のお気に入りの後輩だよね。よく話は聞いてるよ。あとは… うちの学校のマドンナの彼氏だね」


なぜか俺よりも麗奈の方が顔を赤くして照れていた。 いじられてるのは俺の方だよ…


「とりあえず健司、座ってゆっくりしようぜ」


俺たちはカップル同士、隣になって座った。 なぜかすごく緊張する。



「お前も少しぐらいだったら時間取れるんだから、もっと立花と会ってやれよ」


「大会終わったら、まとめて時間取ろうと思ってたんですけど… 」


「まとめて取らなくても、ほんの少しでもいいから出来るだけ毎日会う方がいいらしいぞ」


そう言って、藤本さんを見ると


「そうだよ鈴木君、女の子は短くてもいいから出来るだけ毎日会いたいもんだよ… ね、麗奈ちゃん」


「そ、そうね。 そりゃ、毎日会えた方が絶対幸せだけどね… 忙しそうだし… 」


「何遠慮してんのよ、あなたの彼氏なんだから多少我がまま言わないと!」


「麗奈さん、全然我がまま言ってくれていいんですよ。俺もできるだけ期待には応えられるように頑張りますから…」


「で、でも… ほんとにいいの?」


麗奈は照れて、もじもじしながら言う


「次から健司君に少し我がまま聞いてもらうようにする…」


「しかし立花、ほんとに健司の前だと態度変わるな。教室でそんな顔見たことないぞ」


「私もびっくりした。でも今の麗奈ちゃん凄く可愛い~ 」


「か、からかわないでよぉ~ 」


俺には麗奈のこの表情が標準なんだが、そんなに普段は違うのかな……


「そういえば立花、こいつ“麗奈さん”って呼んでるけどそれでいいのかぁ~ 」


沖本先輩は俺の方を向いてそう言ってクスクス笑っている。


先輩、お願いだからそこ突っ込むのはやめましょ~よぉ~

俺と麗奈は二人とも顔が真っ赤になった。



結構あれやこれやと話をして喫茶店を出て沖本先輩たちと別れる。


麗奈と二人、公園にでも行ってぶらぶらしてから帰ろうということになった。


「今日は本当にびっくりした。まさかいるとは思わなかったよ」


「急にね、藤本さんから電話があって、彼氏に会いに行こーってなって… 」


「でも正直嬉しかったよ。まさか今日会えると思ってなかったから…」


「私も急に会いに行くことになったけど… やっぱり少しでも会えると嬉しい… 」


「健司君 ふふっ」


そう言って麗奈は腕をからませ体を密着させる。とても幸せそうに… 俺もそんな麗奈を見てとても愛おしくなる。


「麗奈は俺に全てを見てほしいって言ったよね。俺はまだ麗奈のほんの一部分しか知らない。これからもっともっと時間をかけて麗奈を見ていくよ。少しでも長く一緒にいて出来るだけ同じ時間を過ごして… 麗奈だけを見て… 」


「…健司…くん… 」


「そして、俺はもっと麗奈のことを好きになりたい……」


昨日真剣に感じたことが何となく口に出た。


そう言った瞬間、麗奈は激しく抱きついてきた。そして肩を震わせて泣いている。俺は心配になって


「どうしたの… 何か悲しいことがあるのか?」


そう聞くと、麗奈が涙をこぼしながら俺に向いてこう言った。


「やっぱり健司君だ。私が選んだ私の大切な人だ。間違っていなかった… 」


しばらく麗奈は泣いていた。俺にはよく分からないところもあったが、とりあえず麗奈が泣くのなら、優しく抱いていてあげたいと思いしばらくそのままでいた。



しばらくすると麗奈も落ち着き、何となく静かになった。麗奈の瞳は泣いていたので少し赤くなっていたが、しっかりと俺を見ている。何かを決断したかのように… その眼を見て、俺は彼女の心の強さを感じた。彼女も愛理さんと同じで強い人なんだ……


俺の心も彼女らのように強くならなければ……



電車に乗り、家に向かう。


「これからは健司君に会いたくなったら、会いに行っていい?」


「もちろん。 ただ、ちょっとしか相手できないかもしれないけどね… ごめん」


「ううん、いいの… 顔を見て健司君の声を聴けるだけで… 」


繋いでいた手を離して彼女は電車を降りる。


「健司君バイバイ、また明日ね」


そう言って彼女は帰っていった。



今日も俺の知らなかった麗奈の一部を知ることが出来た。明日もまた新しい俺の知らない麗奈の一部を見ることができるのかな……



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