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しょうゆが切れてるっ!

作者: 魔法少女♂

「しょうゆが切れてる」で

一作品作れって言われて。


しょうゆ成文が少ないけど………まぁいいか


現代日本的などっかの出来事です。



 走る、走る。僕はただひたすらに走る。



 後ろから僕を追いかける足音がする。

 足音は段々と近づいてくる。

 振り返ってはいけない

 ――その間に捕まってしまう。

 捕まってはいけない

 ――恐ろしい目に遭う。



 どうしてこんなことになったのだろう。

 僕は走りながら思い返していた。









 ――**  **――









「しょうゆが切れてる」


 思えば、僕の同居人、高島の言った

 この言葉が全てのはじまりだった。


 僕が作ったほうれん草のおひたしを食べようとしたがしょうゆが切れている、しょうゆがあってこそのおひたしだ、今すぐ買ってこい、

 そんなことを言われて僕はパシられた。


 実際こんなことは一度や二度ではなく

 自分で行けよと思うことも少なくなかったが

 その度に僕は今高島の家に居候している身だ

 ということを思い出し、計画を断念する。



 でまあ、財布だけを持ったラフな格好で

 コンビニに着く。

 最近のコンビニには色々な物が揃っていて

 非常に便利だ、その分高いが。



 買い物を済ませ、さあ帰ろうとしたそのとき。

 何かから逃げるように走ってきた少女が見えた。


 よく見ると、その少女は前に同じクラスだったことのある青山さん。

 一体どうしたのだろうと思っていると、彼女の後ろからなんていうかこう「いかにもヤンキー」みたいな格好をした男たちがやってきていた。




 …あー、ヤンキーに絡まれて大変です誰か助けて、みたいなベッタベタな展開じゃないよね?


「怖い人たちに襲われてるの!助けを呼んで下さい!」


 マジか。今どきそんなの流行らないって。

 ヤンキーとかやめて優等生になっときなよ、楽だよ?


「あっ!アナタは!ちょうど良かった、助けて!」


 知り合いに押しつけるのは

 人としてどうなんですかねえ


 とか僕の後ろに隠れた青山さんを見てそう思う。

 自分が嫌がることを他人にしちゃだめ

 って習わなかったのだろうか。


 ほらもうヤンキーさんたちメンチ切ってるよ

 こりゃあメンチカツが大量だよ


 ってアレすべった?



「てめえ 痛い目に遭いたくなかったらそこをどけろ

 俺達は後ろの女に用があるんだ」


「彼女が一体君たちに何をした?」


 簡潔に訊く。ちょっと怖いから目力を入れて見つめる。





 ちょっとうろたえている。少しは効果あったのかな。


「ぐっ…。そ、そいつはなあ、俺らの…」


「財布でも盗られたか?」


「ち、違うわよ!そんなことしない!」


「俺らのポッ○ーとプ○ッツを


 食っちまいやがったんだ!」


 …ええと、お菓子じゃないか。

 別にそのくらい怒らなくても………

 あと青山さん、盗み食いは良くないよ?





「しょ、しょうがないじゃない

 小腹が空いていたら目の前にお菓子があるんだから。

 ついよ、つい。悪気はないわ。」



「つい、で三箱も食われてたまるかぁ!

 あとで皆と○ッキーゲームしようと

 大量に買ってたのによう…」




 ………………皆ってアレだよね

 後ろのヤンキーの男の子たちと、だよねえ?

「ドキッ☆男だらけの○ッキーゲーム~キスもあるよ~」

 とか開催する予定だったの?

 誰得?ヒクよ?あと後ろの子たちですらヒイてるよ?



「そ、そうだったの……… ごめんなさい。

 そんなに楽しみにしていたなんて知らなくて………

 一箱余ってるから、なんなら今すぐやってみる?

 少しくらいなら協力するわよ」


「ぁ、兄貴、どういうことッスか?

 冗談ッスよね?兄貴?」


 ………。ヤンキーたちが言い争い始めたし、

 今のうちに逃げよう、そうしよう。

 なんか青山さんの反応が変だったけど

 気にしたら負けだ。きっと後悔する。


「逃げるぞ」









 もう大丈夫だろうと、彼女の手を放す。


 どのくらい走っただろう。二,三キロくらいかな。

 日頃運動してないから結構辛い。息も絶え絶えだ。

 深呼吸してなんとか持ち直す。


「もしかして、あいつらと仲良いんじゃないか?」


 青山さんに訊く。だって,ねえ?

 ヤンキーが菓子置くんなら多分溜まり場でしょう。


 その方が先生に見つからないし。


 あとヤンキーたちとの会話が親しげだったのも怪しい。



「ち、違うわよ。奴らに無理矢理連れて来られたの。


 さっさと私を放しなさい、とかわめいていたら


 諦めろよ、お前はボスに気に入られてんだ

 おとなしくしといた方が身のためだぜ?

 みたいな内容の事を優しく語りかけてきたのよ」


 わめくって自分に対してあまり言わないと思うんだけどな。




 ……っていうか、気に入れられた?青山さんが?


 愛人としてウフンアハン的なアレなら知らないけど、

 話し方からして容姿とか態度だとか

 そこら辺が琴線に触れたんだよね。

 容姿は別に普通だと思うんだけどなあ。





 ……もしかして眼鏡取ったら化けるとか?やってみよう。



「………え?ちょ、何?何で眼鏡とるの?

 よく見えないんだけど。



 ………無言でこっちじっと見ないでくれる?

 照れるんだけど」


 ………そんな無表情で照れられても、とか言う余裕もない。

 結論から言うに、めちゃくちゃ化けた。

 びゅーてぃふるだった。

 黒目黒髪なのはクラスのみんなと変わらないけど

 なんていうか………



 なんで眼鏡だけでこんなに印象変わるんだろう



 僕はぐるぐる模様の眼鏡を手に持ちながらそう考える。

 一緒に前髪も顔から上げたのが原因かな。


「眼鏡のデザインを変えるのと、

 前髪を切るのはやった方がいい。

 顔がカワイイから、すぐ人気者になれると思うぞ。」


 コンタクトにしろとは言わない。

 失敗したら痛いって聞くし。



 しかしそうなると今度は肌のツヤが気になる。

 多少はケアしているようだが、少し粗い。

 ふむ、食事で治すか。

 こんな美少女が埋もれているなんてもったいない。

 輝かせてみせよう。

 美少女は眺めてこそだ。



「今度から昼食のときは屋上に来い。特製弁当を食わせよう」



「か、カワイイだなんて………

 そんな真剣に言わないでよ………



 ……って、え?

 い、一緒に二人で弁当食べろ、だなんてそんな

 私たちまだ付き合ってすらいないのよ?

 いきなりそんな…」

「二人じゃない。友達も呼んでくるといい。こちらも呼ぶ。

 西川という男と、山西という女子、高島という女子?もいる。

 まあ、特製弁当を食わせるのはキミだけだが。」



 さて,明日の分の弁当を作るための材料でも、とそういえば


 もともと…しょうゆを買い、に……出かけた…んだった、な。







 ……どうしよう,高島絶対怒ってる。

 帰りが遅いから心配して捜してくれているんだろうなぁ。





 …………見つかりたく…ないなあ…。








 そんなことを考えていると、なにかがこっちにすごい勢いで走ってくる音が聞こえてきた。



 何で場所分かるんだろうなあ。


 前に訊いたら「私が君の匂いを間違えるわけがないだろう」だとか真顔で冗談を言ってきた。

 匂いって。どうせGPSとかでしょ。


 でも服にも鞄にもぽいやつ見当たらないんだよなあ………

 あ、高島の姿が見えた。






「………………。」


 む、無言はやめて。

 しょうゆ出せば機嫌直してくれるかなぁ。

 コンビニのレジ袋からしょうゆを取り出し、彼女に渡…



「………………………………………………。」



 う、受け取ってくれない。ずっと無言で僕を睨みつけてくる。青山さんは空気を読んで静かにしている。














「何か言うことはあるか?」


 ようやく喋ってくれた。でもその声超怖いからやめて欲しい。



「……頼まれていたしょうゆだ。」


 事情を説明したら多分罵詈雑言を

 僕と青山さんに浴びせてくるからしない。

 第一、「ヤンキーたちからヤンキーのお菓子を勝手に食べた女子と一緒に逃げてて、今ちょうどひと段落したところ」なんて説明しづらい。



「スマン。最近耳が遠くてな。もう一回言ってくれ。」



「………頼まれていたしょうゆだ。」







「……スマン。最近耳が遠くてな。あと手も早くなった

 もう一回言ってくれ。何か言うことはあるか?」


 ………暴力ダメ、ゼッタイ。特に高島は。

 照れ隠しで人を壁にめり込ませる人なんて見たことないよ。

 いや人じゃないけど。


「…コンビニがどこか迷って、走り回っていた

 帰り道で偶然青山さんに出会い、話をしていた

 それにより、戻るのが遅くなった。すまない」


 うん。別に嘘はついてない。

 角を右に曲がるのか左に曲がるのか迷ったから

 先に左に行った。

 するとそこにコンビニがあった。

 だからそのコンビニに入った。嘘はついてない。




「……どうやら嘘はついていないようだな。で、レシートは?」


 ……うん。逃げよう。レシートを見たら

 買ってから結構経ってることがバレてしまう。

 いやもうバレてるも同然なんだけどね。


 即座に後ろに下がり、青山さんの華奢(きゃしゃ)な身体を肩に担いで

 ビルの屋根に逃げる。



「わっ急になによってうひゃあぁぁ!?


 ちょっ、なんでただのジャンプで

 三階建てのビルの屋上に跳べるの

 なんで衝撃が体に来ないの

 なんで私担がれてるのぉぉぉ!」


「逃げる、ということは何かやましいことでもあるのだろう?

 大丈夫、私は温厚だ。今なら半殺しで許そうではないか。」



 半殺しなんてぜっっったいに嫌なんですがそれは。
















 結局、僕と高島の追いかけっこは

 警察に見つかり三人とも補導された午後十一時まで続き、


 なんだかんだで僕は半殺しの目に遭いましたとさ、まる。


かなり薄口なしょうゆだった。


申し訳程度にチラッと

しょうゆがあっただけ。


料理モノが書けるほど

味覚発達してないんだよなぁ

「旨い」「不味い」「普通」

とかしか食の感想ないもの。


他の作者さんの料理モノ見てると

描写が細かくておいしそうで………


どこまでいけばあんな文章書けるように………?


まぁヨソはヨソ、ウチはウチ

気にしないでやっていけ……たらいいなぁ………

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