表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

プロローグ

 

 誰かが言った。


 「愛は世界を救う」と。


 愛は決して、万能ワクチンではない。

 しかし、「愛は世界を救う」というのは、あながち間違えではないのだと思う。

 なぜなら愛はきっと、欲望の塊だから。

 金を取るか愛を取るか。こんな二択問題をよく耳にしたことがある。

 この問題に答えなんてない。

 それはどちらも選べないということではなく。

 どちらも正解だからだ。

例え話をするのであれば、飢餓で苦しんでいる世界の子供たちがいるとする。

 その子たちを救うためには金が必要になるわけで、金を出せばその子たちの中から救われる子が出てくる。

 いわゆる、ボランティア、募金という類い。

 ここで重要になるのは、金を出す側の人間がなぜ、その子供たちを救いたいのかということ。

 かわいそうだから、自分を良く見られたいから、何かしらの恩がある。

 いろんな理由があるだろうけど、端的にいうなら、すなわちそれは全て愛だ。

愛は欲望の塊。助けたいという欲、自分を見て欲しいという欲、恩を返したいという欲。

 その欲が繋がって、金が動き始める。

 要は、愛で世界が動き始めるということ。

 故に、「愛は世界を救う」。

 

 彼女は言った。


 「美少女は世界を救う」と。


 実に意味深い発言にあのときの僕は、若干引いた。

 いや、ドン引きだった。

 人との出会いというのは誠に不思議なもので、価値観を揺さぶる危険な麻薬にも等しい。

 そんな出会いを人は、(かい)(こう)と呼ぶ。

 出会いというものは、この世の中に存在している全ての『物語』に共通する、扉を開く鍵。

 マスターキーである。

 しかし、それは突然、なんの前触れもなく訪れてしまう。

 身構えることも、回避することもできない。

 もしも、あのとき彼女との出会いを避けられていたのであれば、僕はアイツを見ずにすんだのだろう。

 流れる運河の瞬きと千の願いが降り注ぐ、星空の下。

 僕を見て、(わら)う。

 ペテン師の薄ら笑いを。

 


これで長編作品は二度目になります。

久しぶりの執筆で至らないところもあると思いますが、気軽に感想やアドバイスがいただければ、嬉しいです。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ