第一話 中村ケンタはロリコンではない
朝の7時くらいだろうか。ベッドで寝ていた俺は唐突に覚醒する。
視線を下にずらせば、そこには俺の布団に入り込む茶色い塊が。
神聖なる睡眠を邪魔した不届き者には罰を与えねばなるまい。
俺は拳を握り、その小さな頭を両側から締め付ける。
「むにゃむにゃ、寝てるよー超寝てるよー。入り込んだのは偶然だよー。って痛い痛いっ、ギブッ、嘘ですごめんなさいっ。」
躾は大事だ。口で言って分からないなら体で分かってもらおう。俺は体罰賛成派である。
「けんちゃん、そのセリフなんかえっちぃよ。」
それは貴様じゃ馬鹿者め。
う~と唸り涙目になった彼女にじとっとした視線をむける。
「けんちゃんの方がえっちぃよ、私で興奮してるくせに」
彼女は顔を赤らめながら戯言を言う。いやんいやんと頬に手をあて体をくねらせる小芝居がうざったらしい。
今更だが彼女の紹介をしよう。
名前はハチオ、男みたいな名前だが女だ。
通称ハチ。
髪はいつも元気すぎる彼女らしい短めのショート。 茶色のふわふわした毛並の耳と尻尾が愛らしい。これでなかなか可愛らしい愛嬌のある顔立ちをしており、
笑顔になると見える鋭い八重歯がチャームポイントだ。総合的にみてかなり高いレベルにあるといえるだろう。
そんな彼女が下着にシャツ一枚という格好で腹の上に乗っているのだ。
俺も興奮していたかもしれない。
その年齢がもう10ほど上だったら、の話だが。
中村ハチオ、10歳程の容姿である。
再びハチを梅干しの刑に処し、俺は朝ごはんを作る。
「ひどいよけんちゃん。図星だからって照れなくていいのに」
ため息をついて腰にくっつくハチに拳骨をプレゼントする。
「いい加減にしろ、あれは生理現象だ。興奮しなくても男は朝ああなるんだ」
俺のストライクゾーンは25から35、年上だ。ハチは完全なボール球である。
「おはよう」
さっきまで寝ていた娘がテーブルに突っ伏して頭を乗せている。
中村シロ、ハチと同じく10才程度の容姿。
シロという名だがその長い髪は艶やかな漆黒である。三角にとがった猫耳に、細い尻尾。
釣り目気味の眦は飢えた野良猫の如き冷たさを感じるが、そのだらけきった姿は飼いならされた家猫そのものだ。
「おはよう、シロ。コノハはまだ寝てるか?」
「……寝てる……」
おこしに行こうかと考えていると足音が近づいてくる。
振り向くとちょうどコノハが部屋に入ってくるところだった。
「おはよう、このは」
「おはようございます」
そういって近づいたコノハはこちらをむいて目をつむる。
「どうした?このは?」
「…おはようのちゅうを所望しま「てい」っヴー舌噛みました」
最後まで言わせまいとチョップしたが、コノハは笑顔のままだ。
「愛が痛いです。いえ、痛いのが愛でしょうか。うふふっ」
中村コノハ、少し年上の11才程度の容姿。
白銀に輝く髪は神々しく、所作は上品である。
ちょこんと生えてるキツネ耳もふわふわした太い尻尾も触り心地がよさそうだ。
そして豊かになりつつある胸も彼女の特徴といえよう。
見かけは清純な少女そのものなのだが、彼女は残念なマゾである。
「よーし、メシだ。食うぞー」
怒っても喜ぶだけなので俺はスルーすることにした。
「放置プレイ、これが噂に聞く放置プレイなの!?朝からなんて激しいのかしらっ、どうしましょう」
どうもしなくていいんじゃないかな。もう朝から疲れたよ。
改めて言わせてもらおう。俺こと、中村ケンタは年上が好みである。色気のあるお姉さまが大好物だ。
むちっとしたヒップに惹かれる健全なごく普通の男なのだ。
一応自己紹介といこう。純日本人の顔に黒髪、平成生まれで年は多分20。荒んだ生活を送っていたからか若干目つきが危ないが、ワイルドでいい。弓を引くためがっちりとしている肩はたくましいと巷で評判である。(おもにハチ達評)
なのになぜだろう?彼女はできないし近所では鬼畜なロリコン扱いだ。それに女性と知り合う機会があっても、あてつけのような彼女たちの俺への呼称、お兄ちゃんやご主人様、旦那様に引かれてしまう。いつもはそんな呼び方させてないのに…特殊な性癖もないのに!
最後に言わせてくれ。
俺はロリコンではない。