あとがき(著者からのメッセージ)
読者の皆様へ。物語の最後、第100章のページが、こうして皆様の目の前で静かにめくられました。私がこの物語の最初の数行を書き始め、古びたクヌギの木の下にある木製の砂場の縁に、4歳の一際大人びた隆之介を座らせたとき、この物語がこれほど壮大で美しい絵巻物へと広がっていくとは、私自身も完全には予想していませんでした。『龍と百合』――それは、単に「窓と窓」で向かい合って育った二人の少年少女のロマンチックな物語にとどまりません。これは、自らの言葉に対する「揺るぎない忠誠」の物語であり、上流階級の装甲のごとき偏見の壁を打ち破り、特権社会の法則を書き換え、そして最も過酷な「受験地獄」をも粉砕する、純粋な幼き日の約束が持つ力の物語です。朝香隆之介は、私たちにとって「絶対的な守護」の体現者となりました。彼の弓、彼の剣術、そしてその冷徹な独占欲に満ちた眼差しは、ただ一つの目的――自らの「百合」の平穏を守り抜くためだけに存在していました。そして山科百合(やましな ゆり/旧姓:長野)は、真の高貴さと鋼の内なる芯は、育つ舞台装置が質素な公営の2階建てアパートであろうと、閉ざされた皇族の宮殿であろうと、決して左右されないということを証明してくれました。彼女は日本舞踊や茶道の畳の稽古をくぐり抜け、彼の対等な支えとなり、その「隠された女王」となったのです。しかし、このおとぎ話は、彼らの忠実な一団、あの愛すべき「地元の身内(地元のギャング)」の存在なしには、これほど完璧なものにはならなかったでしょう。変化球を操るお調子者の佐藤君と、みなみから彼へ贈られる永遠のグミのご褒美。ペンを持てばアンドロイドのようでありながら、麻衣ちゃんの頬を林檎のように赤らめる幸福のために「内なるプロセッサー」を狂わせた、実直な田中君。そして、普通の学校生活を送るために自らの高貴な皇族のルーツを隠していた双子の葵と健太。彼らの誰もが、この小さくも、この上なくひたむきな世界を強固に築き上げてくれました。そしてもちろん、文化祭の歴史に永遠に名を残した、ハート柄のハイソックスを履いた私たちの忘れられない担任、百合子先生の「甘い復讐」も忘れることはできません。今日、二人の「印鑑」の朱い印影が婚姻届の上で一つに重なり、宮内庁がその婚姻を公式に承認したことで、隆之介と百合は東京大学の赤門へと歩みを進めます。明日からは、法学部と人文学・文化系のカリキュラムという、新しいチェス盤の上での対局が始まります。しかし、私は確信しています。彼らなら、あの完璧な、魂を揺さぶるユニゾン(満点の調和)で、必ずその勝負に勝つということを。二人は私たちを、あの静かな木造のテラスへと残していきます。淡いピンク色をした桜の花びらの雲の下、古い思い出の砂場と、静かに眠る立派なクヌギの木を見つめながら。彼らは自らの永遠を創り上げました。何ものにも侵されない、彼ら自身の永遠のルールのままに、二人だけの永遠を。これまで私と共にこの長い旅路を歩み、毎学期の行方に胸を痛め、文化祭で笑い、そして別れのワルツの旋律に涙を流してくださった読者の皆様に、心からの感謝を捧げます。本当に、ありがとうございました。




