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序・めざめ
両眼が開き膝小僧を見る。
わたしは母の胎内にいたときのように両腕で膝を抱き丸まっていた。
そして母の胎内にいたときのように腹からは一本の細い管が伸び、目の前の壁に吸い込まれていた。
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・・・・・・なんだこれ。
わたしの体は羊水に守られていたときのようにふよふよ浮き、ともすればこのままくるくる回転でもできそうだ。
それは管が首に巻き付いて、窒息の恐れがあったのでしなかったが。
本当に、母の胎内にもどったかのようだ。
しかし感知できる自分の体は人間として完成されていて。
つまり、どういう状態なのだ?
頭のなかがぼやぼやしててはっきりしない。
わたしはぼんやり目の前にただよう管を見る。
ああ。
そうか。
だったら『生まれれば』いいんじゃないか?
わたしは、管をたぐりよせ、目の前の、ぼんやり光る壁に手をのばしたーーーーーーーーーー。




