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金の力はパステリー  作者: 河合 翔
金の力はパステリー(1)
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第四話 幼馴染

 意外と長く感じた石段と街並みをバックに、久しぶりに訪れた神社は一面を茜色に変え、古風とも呼べるおもむき(かもし出していた。


 さしてこの場に見合うかどうかは判断に困るはだた格好 (ワンピースとかだけども)をした女の子が、何かを祈るような構えで三十度ほど頭を下げていた。


 邪魔するのも悪いと、遼は脇に反れた待機の陣。


「…………ほえっ、あっあっ、遼ちゃんだー」


 テンポを長く空けた後、振り向き気付いた遼を視界に入れた女の子は、ぱたぱたと女走りで駆け寄って来た。


 こいつの名前は、椎名しいな梨璃雪りりせ


 幼稚園からの幼馴染で、金持ち(上流階級の両親)の家に生まれ恵まれた文武両道の才女だ。


 桃色に染まったふわり浮いたロングヘアーに、不平不満をあげることない豊満なバスト、笑みの絶えない心安らぐフェイス。


 みてくれから察せるが、周囲の視線を気にせず着飾る奴で、真正の天然っぷりには正直参って手を焼かせている。


 天才とバカは紙一重というが、あえて置換するならばドジの点か。


 時たまわけの分からない不可解な行動を取ってくれる。


「梨璃雪。その言い方はやめろって何度も言ってるだろ。呼称は別に構わねえけど、せめてちゃん付けだけはしてくれるな」


 ただでさえ女みたいな名前なのに、ちゃんを付けると威力がゴミ手から役満くらいの差が生じる。


 このバカみたいな台詞も、もはやお馴染みと定評付けされたと同義で、当然の如く返答の定義もベクトルは捻じ曲げられておらず、聞き覚えのある台詞とボイスだった。


「え~、遼ちゃんは遼ちゃんだよー? なに言ってるのさぁ」


 逆に問おう、お前は何を言ってるんだ。



 これじゃあきりがないなと懸命な遼は思案に暮れる前にかゆくもないのに頭部を掻き、質問する側に転ずることにした。

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