握手会で終始、僕の手が冷たい話で乗りきられてしまった
握手会に行った。
同じ名字で、親近感があったから。
アイドルの握手会は、それが最初で最後だった。
ただ、何も喋れなかった。
喋ろうと、言葉は決めていた。
なのに、僕の体質が邪魔をした。
「手が冷たいね?」
「はい」
「大丈夫?」
「はい」
そんな感じのやりとりで、時間は過ぎた。
手の冷たさで、話がふくれすぎた。
その時は、平熱37.5度のとき。
なのに、手足の冷えが酷かった頃だ。
しかも、雨が降っていた。
そして、冬だった。
仕方ないか。
仕方ない。
だって、アイドルが反応せざるを得ない。
そんな、手の冷たさだったのだから。
想定、事前準備、予測、シミュレーション。
などなど、かなりする方なのに。
末端冷え性と、握手会が結び付かなかった。
それは。
人生最大の不覚だ。