詩 無力でもよかったあの時代に
掲載日:2023/07/21
「大人になったら人の役に立たないといけない」
「そうでない人間は生きていてはいけないから」
通り過ぎて 無くなって 消え去ってしまった
懐かしい風景を
何度も 何度も 何回も 何回も
前に進むたびに 後ろを振り返るたびに
脳裏に思い浮かべてしまっている
灰色になって色味がなくなる前に
形がなくなって不確かになる前に
戻りたいと心が叫んでいる
帰りたいと心が求めている
思い出せなくなるほど
心が擦りきれてしまう前に
またあの時間で生きたいと
またあの時間で過ごしたいと
いつも思う
思わずにはいられない
何も出来ない
それでもよかった
何も成せない
それがよかった
無力が当たり前の時代に
子供時代に
生きていてもよかった
あの時代に




