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異世界旅~家に帰るまでが遠足です~①

 とうとう、異世界の旅がスタートだよ!

 オーバーザワクワク、アギーラです。

 まだあたりも暗い超早朝、僕とシーラさんはいよいよ旅へと出発する。


 ちなみにガイアさんは、ギルドから頼まれた仕事があるらしく、留守中に近くに出来たというダンジョンへ潜りに行っている。

 「同行したかった」って、ブチブチ文句を言ってたけど、「仕事じゃ仕方ないでしょ」ってシーラさんに一喝されてた。

 しょんぼり萎れている様は、まるで子供みたいだ。体格は僕の倍くらいあるけど…。


 僕のクッションコレクションをあきれた目で見ながらも、「知らない人についていかない」「拾い食いしない」「暗くなったらシーラと必ず一緒に行動」「変な人がいたら目を合わさず逃げろ」「生の食べ物は口にしない」「水筒と樽はよく洗え」とかなんとか、色々と僕に言ってくる。

 拾い食いって…そんな事する訳ないだろ!


 部屋の椅子用にと思って作った、四隅にパンツの紐を縫いつけた座布団を見つけると、大笑いして「面白いから仲間に見せるんだ」と、一つ盗んで持って行ってしまった。

 ふんっ、君たちとはケツの出来が違うのさ。


 今回の旅は馬は変わるけど、客車部分は変わらないって聞いたし、買い付けの量を考えてもクッションを持ち込んでも大丈夫だって。シーラさんにちゃんと了解は取ったからね。

 厩舎から台車を借りて、荷物と一緒にえっちらおっちら自作のクッションコレクションを、客車へと運び込んでたら、冒険者と御者の面々にとってもあきれられた。

 ふんっ、君たちとはケツの出来が違うのさ。


 王都を挟んでこの国の東西を繋ぐ大主道は、西の隣国カサンドラ、東の隣国セレストにも繋がる輸出入の生命線でもある。

 ちなみに南北の隣国に繋がる道、北の隣国ジネヴラへはエヴァンス領からの道があるんだけど、南の隣国インデガルダへの道はないんだ。

 もちろん野越え山越えで勝手に行こうと思えば行けるとは思うけど…普通はそんな事しないからね。


 南へはトラヴィス領という他領からの道があるから、インデガルダへ行くときは、王都を越えるか大主道で隣のトラヴィス領へ入るかして、そこから南下する事になる。

 この国は王族と侯爵家が治める王都、僕らの住むエヴァンス領と国の西側にあるトラヴィス領で分かれてるんだ。


 ミネラリアの町はエヴァンス領の領主の直轄地なんだって。

 他の町はさらに領地を治める別の貴族がいるらしい…まぁ、そんなことは知ってもあんまり意味がなさそうだから、どうでも良いけどね。


 今回の旅は、エヴァンス領随一の東西の大主道だけを通る旅なので、旅にしては物凄く安全な道のり。大主道はこの国で一番大きくて一番安全な道って言われてるんだ。

 この世界の事、全然知らないけどさ…もし危険ならガイアさんが絶対許すはずがないから、僕も安全だと思ってるよ。

 道自体もかなり整備されてるらしい…そこは是非とも期待したい、まじで。


 ◇◇◇


 旅程は一泊目カシール、二泊目トリネラル、三泊目~七泊目タンデムという町に泊まる予定で、その後は逆順序で帰路に着く予定。

 今回の旅のメインはタンデムだから、他の町は懇意の業者への挨拶だけ。

 夕方に行って挨拶を済ませてしまうから、一泊ずつなんだって。


 どの町も早朝発で次の町には夕刻着するんだよ。

 5時から7時の間に出発して、16時~18時に到着という感じでちょうどいいらしい。

 5時台に出発すれば、挨拶回りや買い物がその日のうちにできる。

 

 そういう立地の村が自然に栄えて、やがて大きな町になっていったんだろうけど、あまりに見事な配置にちょっと感心してしまった。


 そうそう、買い付けの旅って言うから、最初は水や食料なんかを大量に用意したり、野宿したりするのかなって思ってたけど、全然違ったよ。


 実際に用意したのは、貴重品と服とか身の回りの品を入れた各々の鞄。トイレ紙を持って行った方が良いって言われたから、これはいっぱい持っていく。

 あと、洗濯板も持っていく事にした。家の中でも使えるようにって、小ぶりなタイプも作ってみたんだよね。


 飲み水の入った小さな樽二つ、各自の水筒を2個ずつ。

 念のために日持ちのする固いパンと干し果物なんかを少し。お世話になってる業者さんに配る手土産。

 そしてクッションコレクション。


 あとは、早朝に町を出発する旅人用に、屋台が沢山出てるから、そこで朝食と昼食を買えば準備万端さ。

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