犯人俺ぷw
はじめまして~。
いや、はじめましてってのも何か変だな。
だってさ、これを誰かが読んでるかもしれない頃には、俺はもう、この世界でもとっくに死んじゃってる訳だし。
まず、これを読んでいる君の事は“名無し”と呼ぶことにしようじゃないか。
俺、日本語以外まったくわかんないから、日本語でしか書き残せないけど、もしかしたら言語系のスキルがあれば…いや、じゃんけんでふるいに掛けたいからな…ここは日本人限定でいこう。
この手記は同郷人特典だ!
いらないとか言うなよ~、寂しいだろ。
あーぁ、これが読める奴の手に届いたら、すっげー面白いんだけどな。これぞまさしく、すれ違い.通信よ。
ここにはこの異世界で役に立ちそうな事、役に立たないかもしれないけど面白かった事、俺の数奇なる異世界人生をぎゅっと短縮して綴っていこうと思う。
名無しがこの世界で楽しく生きるためのヒントが隠されてるかもしれないぜ!←大抵なんも隠されてないパターン
なんつって。
ま、気楽に読んでくれ。
(途中略)
俺はたぶん転生したんだと思う。
なんせトラックにはねられちゃった記憶があるからな。だからたぶん転移じゃなくって、転生ってやつなんだろう。
そんな話はどうでも良いって?
いやいやそこは手記なんだから、大目に見てくれよ。
だってさ、書いててわかったんだ。俺…こういう話をずっと誰かに聞いて貰いたかったんだなって。
さてと、今日は何を書こうかな。そう言えばさ…
(途中すごく略)
え?もうトイレの話は腹いっぱい?そんなつれないこと言うなよー。
それにしてもこの話、酷くね?
俺、結構良い事したはずなのに、トイレ紙準男爵って呼ばれるオチ。いやもうこれってある意味、バッドエンドっしょ?
この世界の奴らのネーミングセンス、マジで疑ったわ。
まぁ、俺が死ねば、こんなあだ名があった事も後世に残る訳でもないから別に良いんだけど。って、全然良くねぇっての~!
ってな事で、これは俺からの遺言だ。名無しがもしも目立った事をやっちゃった場合、ヤバいあだ名とかつけられないように、絶対に注意しろよ。もれなく後々の人生がいたたまれなくなるから。俺みたいになっ(泣)!
(途中ものすごく略)
★ドラジャで作る醤油っぽいやつ(研究中)
名無し…食いついた?俄然、食いついたっしょ?
つりネタじゃないから安心してくれ。これはマジモンよ。
ただし!最初に言っておくけど、俺はかなり中途半端な形で力尽きる予感。だから後は名無しが自力で完成させるしかない。
東京の道端から転生しちゃった俺ではあるけれど、生まれは長野県でさ。自家製の麹や味噌を作ってるような家だったから、醤油に必要不可欠の麹の事からちゃんと書けてしまう俺SUGEEEEE!
さらにここで嬉しい報告だ。麹があれば味噌もゲットできる可能性大なんだぞ。
俺の前世と今世の知識で試行錯誤した結果、麹も味噌も醤油も全部、主成分はドラジャでいける。
ってな事で、名無しの研究次第では麹・味噌・醤油を総取りできるかもしれないぞ。
ちなみに、これを書いた後で思い出した事なんかは、都度都度メモして、この手記と一緒に綴じておくつもりだから、研究に役立ててくれ。
麹はさっき書いた通り、ほぼほぼ完成してる。だけど、麹って麹菌じゃん?発酵食品を繁殖させる時に変質があった場合って、この世界ではどうなっていくんだろう…なーんて、真面目な俺は考えちゃった訳で。
多少は地球の知識を広めた自負はあるけど…麹に関しては自信はないし需要はないだろうしで、結局広めるのはやめたんだよね。
(途中とてつもなく略)
今日はちょっとマジな話を書こうと思う。
いやバカ、今までの手記もマジだっつーの。
名無しはさ…エルフって種族を知ってるか?
もしかしたら、既に知り合いにいたりするかもしれないけど…どうだ?ほら、ファンタジーパターンでお馴染みのあれだよ、あれ。
あんまり人となれ合わない種族なはずなのに、不思議と引かれ合うんだよ。こ、これはエロい意味なんかじゃないぞ。
もしかしたらさ、エルフって異世界人と親和性が高いんじゃないかと思うんだ。何でそんな事を思うのかってのが、ここからの…俺の話しておきたいマジな話ってのに繋がってくる。
(途中そこそこ略)
とにかく気をつけろ。
友人エルフの話を信じるなら、中央にある国…ユスティーナは絶対にヤバい事をやってる。
全部が全部、転生がユスティーナ国の仕業とは言えないかもって思うのもわかるけど、確率論で言うと…どうしても疑いの目はあの国に向くんだよ。
もし名無しも転生させられたんだとしたら…少なくとも俺の後にも同じ事を繰り返してる可能性が高いって事じゃないかと思うんだ。
まぁ、これも時空が歪んだうんぬんかんぬんもあるかもしれないし、あくまで俺の妄想だけどな。
嫌な話だけど、この世界に転生者を召喚するには、この世界の別の命を対価にしないとならないらしい。そしてそんな話は俺が調べた限り、一般人にはおりてこない案件。国家お抱えレベルの…トップシークレットって考えるのが妥当だと思う。
一番ピースがハマる考え方は、やっぱエルフの話は事実なんだろうって…俺は結論付けたんだ。
正直なところ、俺は第二の人生を貰ったようなもんだし、ここでの生活も色々あったはあったけど、結構楽しかった。
そりゃさ、最初は死にそうになったこともあったけど…今となっては悪い事ばっかりじゃなかったって思えるし、俺にとっちゃ…なかなかに楽しい異世界人生だったんだよ。
だけど、俺の転生の対価になった奴の事を考えるとさ、すげぇやりきれないんだよなぁ。
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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■なんだろ?
何の為にこの世界に転生させられたのかは、現時点じゃ全くもってわからんけど…俺がその聖女ってやつなんだとしたら、まぁ…そのなんだ?奴らの禁術の魔法陣とやらは、相当ヘッポコって事じゃないのかと思う。
なんせ性別からして違ってるからな。あ、今更だけど俺は今も昔も男の子で、今も昔も人間族です。どうでも良い情報、失礼しゃっした~。
名無しはさ、なんか聖女っぽいチートとかって…持ってる奴?
俺はそこそこチートっぽくはあるけど…いわゆる“聖女級”って感じはまったくしないんだよなぁ。
だから、聖女召喚に巻き込まれたモブ転生者かもって考えたけど…俺の時代じゃ、俺の他にはそういうチート感のある奴の噂なんて、一切聞こえてこなかった。
色々考え過ぎちゃっても仕方がないからな、ここは俺がその聖女だって事にして、考察を進める事にしたんだ。
ちなみにだ、この世界が聖女を異世界から呼ばなきゃならんほど、何かに困ってる感じがないから、何で呼んだのか全くわからない。本当にわからないんだよ。
削除
信じられないくらいに不衛生で、不潔という意味で汚なすぎる世界ではあったけど、せいぜい困ったのはそれくらいだしね…。
俺が生きたこの世界は、とにかく色々と、本当~に色々と汚かったんで、汚くて汚くて…そのせいで人がたくさん死んでいった世界でもあった。俺だって小さい頃は、とにかく日々を生き抜くだけで精一杯だったしな。
なぁ…名無しの時代はどんな感じ?
あーぁ、名無しと話せたら楽しいのになー。
さーてと…この手記も、そろそろ終わりにしようと思う。あんまり長く書くと、名無しに飽きられちゃうもんねん。
とか言いながらも最後に、俺が厳選に厳選を重ねた面白異世界話傑作選パート③を…
(途中すごく長~く略)
もう俺もよぼよぼだからさ、そろそろこの世界ともおさらばっぽい気がする。あ、天に召されるでまた思い出しちゃった…名無しはどうよ、デジタル遺品問題とか。
名無しも心配しただろ~?親がアレをアレしたアレなんかを全部見ちゃったのかなぁ…とかさ。
まぁ、そんな事は今となってはどうでも良いんだけど、という強がりを言い放ちつつ、ここでお別れするとしよう。
それじゃぁ、元気でな。
ロイドこと田中正より
PS.マヨネーズの発明、取っちゃってごめん。犯人俺ぷw




