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今日も僕は生きている  作者: 赤羽 千菜
7/9

手錠

「助けて」


 そんな声を出しても誰も拾ってくれない。「辛かったら「助けて」っていうんだよ」って教えてくれたのに。

 世界は無常だ。「当たり前」「常識」を押し付けてもそれを「当たり前」にできる人なんていないのに。



「これをできるのは当り前です」


「これは当たり前にできるようにしましょう」


 なんて言っても、「当たり前の常識」すらできないじゃん。


「辛かったら相談して下さい」


「相談することは「当たり前」です」


 確かに「当たり前の常識」を教えてくれた人は「助けてくれる」なんて言ってなかった。それでも、教えてくれた「常識」には「手を取り合って助け合いましょう」なんて言葉もあったよね?

 いざ手を出したら手を差し伸べてくれる人なんていないくせに。


 「なんでも自分の思い通りになると思うな」「世界は甘くない」「やるのが当たり前だよ」「それは常識的に考えてふつうしないよね?」なんて言葉。「当たり前の常識」をできないのに他人にそれを押し付けて。

 優れている人だって、劣っている人だって手を無理やり手錠で繋がされて。人は人それぞれなのに自分のできない「当たり前」を「常識」を押し付けて。



「誰か助けて」


 「当たり前」の手錠に掛けられた私を。

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