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第16話 東部シベリア開発 〜資源を獲得せよ〜

どうも、クラウスです。


最新話を更新いたしました。


いゃ〜中々大変ですね、この時期…


大学の試験が近い事もあってか、最近はよく大学の図書館に入り浸っています。


大学の図書館は良いですね〜


様々な資料が見つかります。


無論、この作品を執筆するための参考文献たる資料を見つけるのにも、しっかり貢献してくれています。


……お陰で、多少試験に不安がありますが(汗)。


話が長くなってしまいました。


今回は、ちょっと悪い話が続きます。


某国の方が、読者の中でいらっしゃったら、先に謝罪しておきます。


それでは、どうぞ。

1945年5月、帝国軍は奇跡的とも言える大勝利によって、一部の地域…カムチャツカ半島…を除いた東部シベリア・極東の大部分を占領した。


これは、長年北に脅威を覚えた帝国陸軍の負担を取り除く事に繋がり、戦略の幅を大いに広げた。


そして、それ以上に重要だったのが、占領した地に埋まっている膨大な量の、豊富な地下資源であった。


その地下資源の中には、露天掘りで採掘できる資源もあった為、帝国政府は歓喜の渦で包まれた。



しかし、同時に新たな問題も生まれた。


地下資源を採掘するための東部シベリア開発…その為には、必然的に多くの労働力が必要となる。


幸いにも、日本本土は戦時中にも関わらず、食糧問題が発生する程人口は増加している。


当初は、日本人の希望者が開発に向かう事になったのだが…



 −−− 大日本帝国首都 東京 −−−


『…やっぱりかぁ』


『仕方ありませんよ。なんと言ってもシベリアですから』


『このままでは開発が…』


『開発は、断固として行わなければならない!』


『しかし…このままでは…』


『う〜ん…どうするか』


『『『う〜ん…』』』



…悩みの種は、開発に必要な労働力。


国内から人を集めて送ってもいいが、国内の貴重な労働力でもあったりする…


国内の労働力確保と、食糧問題。


国内に2つの問題が混同していた。



『やっぱり朝鮮人を送るか…』


『大丈夫なのか?』


『うん…多分ね』


『心配だな…』


『何なら、半島内の不満分子達や反抗的な者も一緒に送っちゃうとか…』


『そしたら送った先が、大変だよ』


『どうしたもんか…』


『『『う〜ん…』』』



悩み悩まれ時間は過ぎて行く…


『東条首相は何と?』


『朝鮮人と中国人を送れだそうだ。但し、開発地帯だけでなく支那大陸にも移民させろ…とも仰っていた』


『どうしてだ?まさか…人口を減らすため?』


『半島には、いずれ多数の日本人を移民させるそうだ』


『そしてその為には、空き地が必要…』


『そう言う事』


『中国にも朝鮮人を送る目的は?』


『東部シベリアの資源地帯を、朝鮮人で一杯にしてみろ』


『…後が面倒だな』


『そう言う事だ。いずれ、日本人も東部シベリアへと移民させるらしい』


『そうすれば、半島も東部シベリアも帝国の物』 (ニヤッ)


『つまり目先の事だけでなく、後の事を考えて…って事か』


『…五族協和・八紘一宇の精神は、一体何処えやら…』


『少なくとも、上層部に朝鮮人や中国人と仲良くやるつもりは無いらしいな』


『あぁ…そう言う事だな』


『しかし当の朝鮮人達が、素直に移民すると思うか?』


『適当に聞こえの良い言葉を、並べておけば大丈夫だろう』


『どんな?』


『例えば…「朝鮮人の為の理想郷」…とか』


『…そんなんで、行くと思うか?』


『行くと思うぞ?朝鮮人って頑固な所があるけれど、基本的に単純だし』


『まぁ…そうだな』


『最近、ちょっと生意気になりだしたから丁度良いって!』


『なんか…戦後が怖いよ』


『…何とかなるだろ。万が一の事態になったら、東南アジアの人達を味方につけよう!』


『いっその事、「大東亜連邦」みたいな形で、独立させた東南アジア各国と連邦制を敷くとか』


『負けなければ…可能性はあるかもな』


『絵に描いた餅にならなきゃいいがな…』


『軍の皆さまには、今しばらく頑張って貰おうか』


『『『………』』』


…こうして段々と計画の骨組みが、(多少どころか、とんでもなく歪な形ではあるが)形作られていく。そして…



1945年5月15日


この日、朝鮮人の東部シベリア移民団の第1団、凡そ30万人が東部シベリアへと向かって旅立った。


これ以後、凡そ1週間から2週間に1回の割合で、朝鮮人の大規模移民が行われた。


朝鮮人の移民は、半島に住んでいた朝鮮人…凡そ1600万人…を減らす目的もあって、どんどん進められていったのである。


そして、半島内に空きが出来ると、日本本土にいる土地を持たない日本人が半島に移り住む。


そして、半島内の農地開発も進められていく…


行く行くは半島を日本本土への食糧供給基地に…といった考え方もあった。



朝鮮人の東部シベリア移住は、開発に必要な労働力の確保・半島への日本人の移民による日本本土内での人口増加の抑制・半島へ移住した日本人による農地開発による食糧の増産…といった帝国政府が抱えた3つの問題を、かなり歪な方法であったとはいえ解決してしまった。


この考え方に、もはや「五族協和・八紘一宇」といった考えは無かった。あるのは日本人の為の資源・土地の確保という考え方であった。



この政策によって、一番苦難の道を歩む事になったのは、言うまでも無く朝鮮人である。


東部シベリアの開発は、各地で労働時間8時間の3交代制で、突貫工事が行われていた。


朝鮮人達は、手に鶴嘴(つるはし)を持って、鉱山を掘り、地下資源を掘り出していた。


しかし、本土で強制労働に就いていた朝鮮人達に比べたら、遥かに労働条件・環境は良かった。


本土では12時間労働も珍しくなく、食事も2日に一度という事もざらにあった。


一方、東部シベリアで働く朝鮮人達は、労働時間も短く食事も(1日2食ではあるが)毎日出る。休憩時間もしっかり与えられるし、防寒着を始めとした衣服などの物も支給される。


労働内容自体は苛酷であるが、それに見合うだけの対価も支払われている事もあり、その情報が半島内に伝わると、半島に住む朝鮮人の移民に弾みがつく。



だが、軽い気持ちで移民した朝鮮人は、地獄も見る。


東部シベリアへの移民における最大の敵は、その環境だった。


言うまでも無く、シベリアの大地の気候は厳しい。


この年は珍しく、5月になっても気温はマイナスを記録していたこともあって、多くの朝鮮人達が命を落とした…



 −−− 帝都 東京 −−−


『どうだね?朝鮮人の移民政策は』


『はっ、順調に進んでいます』


『このまま行けば、少なくとも今年の末までに東部シベリアへ移民する朝鮮人達の数は、300万人前後に上るでしょう』


『ふむ…半島への日本人の移住は?』


『すでに4万人以上が移住を開始しています』


『たった4万人か?』


『生憎と、輸送する船舶が無いものでして…』


『…大半の輸送船・客船を、南方からの資源輸送に廻してしまったからなぁ』


『どうしようもありません。資源が無ければ戦えませんから』


『うん…その通りだよ』


『でも、東部シベリアの開発が本格化すれば、南方から危険を冒して運ぶ必要も無くなるのでは?』


『確かに、東部シベリアには油田も確認されましたし、鉄鉱石や金も採掘されます。しかし、石油の質は重く、航空機用には向きませんし、良質なゴムやニッケルは南方からしか得られません』


『……つまり、我が国が今後とも米英諸国と対等に渡りあっていくには、南方・東部シベリアの双方が、絶対的に必要という事か』


『そうなります。戦後も蘭印をそのまま確保できれば最上、最悪でも関係は維持していく事が欠かせません』


『東部シベリアはどうするのだ?』


『ソ連が文句を言って来ても、返す必要は無いでしょう。何せソビエトから戦端を開いておきながら、結局失った領土。自業自得です』


『そうだな。奴らが勝手に中立条約を破って侵攻してきたのだ…逆に賠償を求めても良い位だよ』


『まぁまぁ、あんまり言い過ぎると、後でとんでもないしっぺ返しを食らうかもよ?』


『ソ連の畜生どもめ、返して欲しけりゃ実力で奪いに来やがれっ!』


『『『………』』』




朝鮮人達の命を削って得られた貴重な資源……主に石油(但し重質油)、鉄鉱石、亜鉛……は、一旦ヤクーツクに集積された後、陸路を通ってウラジオストクまで輸送し、そこから海路で本土まで輸送される。


しかし、一部の政治家は、態々本土へ運ぶのは手間が掛ると言って、現地に工場を作るべきだと言う者もいた。


しかし、現地のヤクーツクは地理的に都合が悪く、帝国政府は許可を出さなかった。


替わりに、ウラジオストク・ハバロフスクの2ヶ所に、未来日本軍の肝煎りで、航空機や戦車を製造する大規模工場を建設した。


どちらの工場も、数万ヘクタールという広大な土地に建設された事もあって、本土以上の生産力を持つと期待されていた。



ヤクーツクから輸送されて来た資源の多くは、未だ前述の2ヶ所の工場が完成していない……工場の完成予定は8月以降……事もあって、その大半がウラジオストクから本土へと輸送されていく。


日本本土では、勤労奉仕の学生・女学生達も総動員して、航空機や戦車、小銃に弾薬など軍需物資の生産を続けていた。


幸いにも、新たに創設されていた『第101海軍護衛艦隊』や、未来日本海軍の協力によって南方とのシーレーンを確保し続けていた事もあって、徐々に物資不足から抜け出そうとしていた。


南方航路では、未来日本から貸与された35万トン級の超大型タンカー5隻や、10万トン前後の貨物船(貨客船)が多数行き交っていた。


無論、海軍の護衛艦艇が周りを固めながら…



彼らが南方から運んできた資源が、帝国本土で軍需用・民需用に其々分けられ、消費されていく。


一部の資源は、満州や朝鮮半島・東部シベリアへと運ばれて、現地で消費される。


南方から運ばれた資源は、本土を、そして帝国の影響下(勢力下)にある各国各地域を潤す。


帝国は、東部シベリアを得て、資源を獲得した。


しかし、南方の資源も重要で、欠かす事の出来ない物であった。



南方で生産されたコメは、本土や朝鮮、ヤクーツクで暮らす人々にとって宝石以上の存在であった。



そういう意味でも、南方は欠かせなかったのだ。



如何でしたでしょうか?


次回の更新は…残念ながら未定です。


3日経たずに最新話を執筆するかもしれませんし…しないかも知れません。


…申し訳ありません。


それでは、また次回。


お楽しみに〜

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