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5.

前回のあらすじ

主人公を助けたマガイ達は元の場所へ返そうと話を聞くもマガイ達と全く話が噛み合わなかった。だがそれは自分が一度死んでこの世界へやってきた”転生者”だからなのだと知る。道中、主人公らをつけていた子狐を加え森を進む。マガイが”家”と言ったものは巨大な船だった。

森の中にあったのは大きな船だった。

でも船って海にあるんじゃないかな?何故ここにあるのだろう?

驚く私を見てクスクスとマガイさんが笑う。


「そんなにびっくりされるとは思わなかったな。あなたの世界にはなかったのかな?」

『…なかったと思います?』

「飛行船っていうんだ。」

『それなら聞いたことがあります。』


この飛行船は海上に浮かぶ船にその船よりも大きな袋が上についている。私の知る飛行船とはかけ離れている。これで飛べるのかも怪しい所だ。

不安そうな顔をしていたのかマガイさんが気遣うように声をかける。


「頑丈だし大丈夫だよ。落ちたりしないから。」

『は、はい・・・』


私が心配しているのはそこじゃないけど・・・失礼だったかな?

突然ギィィという音と共に船の壁から橋が下がってきた。ここがきっと出入り口。途端にアデルが全速力でその橋を走って渡り、後を追うようにステルが船内へ入る。一瞬横目で私を見たステルと目が合った。ほんの一瞬でも鋭い眼差しに全身に恐怖がつたった。私はステルにそんな目を向けられるような事はしていないはず。何故あんな目を私に向けたのか。


「いっ!?」


ドタン!と大きな音で我に返り恐怖で硬直した体が動いた。目の前には橋の上で転んだらしいマガイさんとマガイさんの足元に子狐が座っていた。


『えっ大丈夫ですか?』

「・・・あぁ・・・だ、大丈夫だよ・・・急に足元をこの子が通ってきてびっくりしただけだよ。」


子狐は何かを訴えたかったのだろうか。


・・・

・・・・


船内に入って一見すると全て木造だった。横に人が4人くらい並べるくらいのスペースの廊下があり何本も横に別の廊下がのびていたり沢山の部屋もある。それぞれの部屋に食堂・倉庫・浴室その他に船の先頭あたりに操縦室があるらしい。わかりやすい用に部屋のネームプレートもかかっているらしい。


「緊急時以外は絶対に操縦室に入らないこと。精密機械とかあるしなんかあったら凄く困るから。」

『わかりました・・・!』


・・・


マガイさんからの説明を聞いている途中にそれを起こった。


《お帰りなさいませ。主様。》


私は目を見開いた。壁の中から何の前触れもなく半透明の女性がにこやかに出てきたのだ。


「うん。ただいま。」


女性は私に向き直り、にこりと微笑んだ。


「紹介するよ。彼女は」

《初めまして。マガイ、主様の補佐であり実質的にこの船を動かしています。アイです。》

「・・・被せてきたね。」


マガイさんがははは・・・と力なく笑う。


「アイは私が作った感情を持つことができるAIなんだ。まだ学習段階だけどね。」

『AI?!』

「その反応は、そっちの世界にもあったのかな」

《主様?説明をお願いします。》

「あ、そうだった。」


・・・


《なるほど。理解しました。これからよろしくお願いします。》

『よ、よろしくお願いします』

《では主様は早くお部屋に戻って大丈夫ですよ。後は私がやります。》

『?』


早くお部屋に戻って大丈夫ですよ、ってどういうこと?

マガイさんがパァっと明るくなった。


「あっいいの!?ありがとうアイそれじゃあ後はアイが説明してくれるからよろしくね~!」

『えっあのどういう・・・』


凄い勢いで廊下の死角へ消えていった。近くで扉の閉まる音が聞こえた。


《驚かせてすみません。案内します、私についてきてくださいね。》

『はい、ありがとうございます』


言われるがままついて行く。スーッと滑るようにAIのアイが私の前を行く。


《改めて自己紹介します。私はアイでこの船の管理のほとんどを担っています。そして私はこの船から出ることができません。先ほどのことを気にしていると思いますが、主様は薬の調合が好きなのです。だから早く調合したくてソワソワしている主様を行かせたという訳です。主様にやらせても良かったんですけどちょうど暇だったのでいいんですけどね。》

『なるほど・・・』

《あ、私に敬語必要ありません。あだ名をつけて呼んでくれても良いんですよ♪》

『じゃあ、あだ名はすぐには思いつかないけどアイって呼ぶね。』

《はい!》


呼び捨てにするとアイはとても嬉しそうな顔をして笑った。


・・・

・・・・


それからアイに食堂や浴場、それぞれの部屋や入ってはいけない場所を教えてもらった。私の部屋は何かあったらすぐに行ける様にと一番動きが早いらしいステルの部屋が近い場所になった。そういえば私がイノシシに襲われた時に飛んできたのってステルだったのかも。

私の部屋はベッドと棚のある部屋だった。元々誰かが倒れてたりした時に緊急用として3つ位部屋があるという。ありがたい事に私はその1つを使わせて貰えることになった。

閲覧ありがとうございます!

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