1.
佐藤愛美。19歳。
今私は崖の上に立っています。することは1つ。ここから飛び降りて死ぬだけ。そう思うと昔の出来事が走馬灯のように頭を駆け巡った。
父も母も胸焼けがするほどラブラブだった。そんな父と母が私は大好きで、そしてふたりも私が大好きで仲良くしていた。母のガンが発覚したあとも。日に日に弱る母を目にし、見ていて辛かった。父は私以上に辛そうな顔をして泣いていた。
私が小学5年生の授業中のときに母の容態が急変し、父も私も病院へ到着する前に母は死んでしまった。父も私も泣き崩れた。言いたいことやりたいことが沢山あったのに。
それから父は人が変わってしまった。前はやられたことがない暴力をふるいはじめた。服で隠れる場所を殴ってくる。前は母と分担していた家事も一切やらなくなったので私が仕方なくやることになった。毎日お酒3本は飲むようになったので空き缶やビンはそのまま。父との会話もなくなった。
それから高校生から今までは愛されたくて生きた。でも全部ダメだった。初めての彼氏は浮気してたし、次の彼氏は本気になって行為までしたのに遊びだった。好きな人にアプローチしたらストーカーだと言われたり、トドメには父親に夜の店にいって稼いでこいといわれて何かがきれた。散々だった。
そう思い返すと自然と笑みがこぼれた。何故ならもうこんな人生手放せるのだから。
そして別のことを考える間もなく、私は倒れるようにそこから落ちた。すぐに気絶して痛みはなかった。
それからどれくらい時がたったのか、目をあけると私は知らない森の木によりかかるように座っていた。
力不足なためこんなことになってしまって申し訳ありません!!!!!