無題の瞳
今いるこの世界には、俺にとって存在する理由や価値なんてあるんだろうか。
実際、同じクラスのやつらや校外のトモダチ…?そして親。兄弟。
俺がもしこのままどっかにいなくなったらさ、君は心配してくれる?
今日もいつものように街をふらついてる。週に一度だけ、もっと言えば日曜日だけ、学校をサボることにしている。
別に不良になりたいわけでもなく、衝動的にそうなってしまう。
あと、この曜日は何故か学校に誰もこないしなんの変化もなくつまらないからだ。
俺をいじめてる不良も、カースト上位の女子も、俺が好きなあの子も絶対に登校してこない。つまらない。
「お兄さんお兄さん!!」
「わっ」
急に話しかけられて正直びっくりしたけど、すぐに冷静になる。
すごくキレイな女の人だなぁ。
「少しお茶しない?あと、漫画とか絵、興味ある?」
「あ、はい、漫画とか大好きですけど…」
「良かったぁ!こっちこっち、私、瞳。よろしく」
「あ、源五郎田丸 馬鹿男です、よろしく」
その透き通った美しい目の瞳さんに、抑えられない衝動を感じついて行く。
女の子と手を繋いだのはいつぶりだろ。
「さぁ、選んで!」
そこには見たこともないキレイな壺や絵画がたくさん。
「こ、これかなぁ」
「了解!いいセンス!私が選んだだけあるわ!じゃあこの紙にサインして」
サラサラサラ…
今、俺は自宅のドアに、金返せ、殺人鬼、詐欺師、等の紙が貼られたオシャレな部屋に住んでいる。
この世界は広い。後悔はない。