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Dear My Doctor  作者: 美月沙紀
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Topic 1〜脳死・臓器移植

地域医療研究会、ゴールデンウィーク前の最後の例会。


今日は「脳死・臓器移植」がテーマ。発表は木村夏希さん、看護学部3年生で佐藤さんの彼女。美人で頭の回転が良く、後輩の面倒見も良いため特に下級生に人気があるが、どうも私には冷たい。以前、佐藤さんに、夏希さんに嫌われてる気がするともらしたことがあるが、佐藤さんには、「美月さん、かわいいからイジメたくなるんじゃない?」と、冗談でかわされてしまった。


「今日は脳死・臓器移植について調べてきました。レジュメと資料配るからまわして」


レジュメ1枚と、分厚い資料が渡された。参加者は医学部5名、看護学部3名。


「では、始めます。まず、脳死とはどんな状態か。ここ何年か、トピックになってるし、入試でも小論とか面接でよく扱われるから、みんな知ってると思うんだけど…。脳死は、大脳および脳幹の全機能が完全に停止した状態、と辞書的には定義されています。これに対して、植物状態とは、…」


あ〜、疲れた〜〜、眠い〜〜〜


この放課後の例会の時間、私はいつも疲れ切っている。昼食後は誰でも多少眠くなると思うけど、私はそれを午後中ずっと引きずってしまう。せめて数分でも仮眠できればスッキリするのにと思うが、それができない。だから午後はただウダウダしてるだけ。昔からそうだった。中学校の時は吹奏楽部だったが、練習に顔出すのが辛くてよくサボってた。高校の時は合唱部だったが、こちらは出席が異様に厳しかったため、足を引きずるようにして部室まで行ってたっけ。


あ〜、ダメだ、脳みそ溶けてる〜〜〜


「…では、なぜここでそれが問題となってくるかと言うと…、…沙紀ちゃん、聞いてる?」


「え、あ、ハイ…」

スミマセン、聞いてませんでした…


「ちゃんと集中してよ!」


夏希さんの目が怖い!

「すみません…」


…と、その時、コンコン、と、部室の入り口のドアをノックする音がして、ドアがそ〜っと開いた。


……え、三杉くん?…来てくれたんだ!


「……あの、入部するって決めたワケじゃないんですけど、美月さんが、誘ってくださって…」

「あ、ここ、ここ座って!」


私は隣の空いた椅子に彼を座らせた。


夏希さんは訝しげに私と三杉くんを見ていたが、ふ〜ん、と小さく呟いて、話を続けた。三杉くんは、渡されたレジュメや資料と、話をしている夏希さんの姿を交互に見て、時々フン、フンと軽く頷きながら、熱心に聞いていた。三杉くんの登場で、すっかり目が覚めた私は、そこからは真面目に話を聞き始めた。


「…発表は以上です。休憩したらディスカッションです。三杉くんも、ぜひ参加して」


ハイ、と小さな声で彼は言った。


そして、10分間の休憩の後、ディスカッションに入った。

私が大学に入学する前後、脳死・臓器移植についてはよく議論されていました。懐かしい(^.^)

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