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Dear My Doctor  作者: 美月沙紀
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新入生歓迎ランチ 2

三杉くん、食べるの早!


私は、目の前でハンバーグをがっつく三杉くんを見て、呆気にとられてしまった。食べ方といい、風貌といい、異次元の人みたいだ。



食事が済んでから、佐藤さんが仕切り直した。


「じゃあ、新入生さん達に簡単に自己紹介してもらおうか」


佐藤さんは、目の前に座る新入生の女の子に目を向けた。


「あ、はい、はじめまして、高岡美晴といいます。出身は奈良県です。趣味は、…ハイキングとスキー、かな。う〜んと、あとは……。何か質問ありますか?」

「何で、うちの大学来たの?」

「あ、近くにハイキングコースがいろいろあるから、というのもありますけど、まぁ、メインはセンター試験の点数で選んだかな」


よくあるパターンだ。わたしも似たようなもんだ。


「じゃあ、次は現役の彼!」


佐藤さんは、なぜか現役だとか一浪だとかにこだわる。


「あ、僕、渡辺和雄です。茨城から来ました。趣味は、読書と音楽鑑賞です。よろしくお願いします。」

「音楽鑑賞?どんな音楽聴くの?」誰かが聞いた。

「あ、僕はもっぱらクラシックですけど…」


お、趣味が合うかも!


「好きな作曲家は?」

「一番好きなのは、ショスタコーヴィッチです。ストラビンスキーなんかも好きです。」


ダメだ、趣味合わない。


「じゃ、最後、君ね!」


佐藤さんは、三杉くんに話を振った。


「あ、え〜っと、僕は、三杉琢磨と言います。福岡県出身です。趣味は…特にないですが…あ、予備校時代は、スロットにハマってました…」


スロット!!


「ワハハハハ、スロット⁉︎ いいねえ、君!予備校通わないでパチンコ屋に通ってたの⁉︎」


佐藤さん、嬉しそう。他のみんなも。


「いや、たまにですけど…」


三杉くん、恐縮してる。けど、親が知ったら泣くぞ!


「おっけー。じゃ、上級生も自己紹介して」


上級生は、一人一人名前や出身地を述べた。そのあと、佐藤さんが簡単にサークルの説明をした。


「うちのサークルはね、地域医療研究会ってなってるけど、実際は地域医療に限らず、自分たちの興味のある医療問題とかについて誰かが発表して、それについて議論する、てのが基本的な活動なの。医学部と看護学部の学生でね。」

「定例会は週一回だから、他のサークルと掛け持ちも可能。その他に、フィールドワークや合宿をやったり、みんなでスキーしに行ったりもするよ。」


佐藤さんは、その他具体的なことを話しして、特に質問もなかったので、それでお開きとなった。



私は、三杉くんにちょっと興味を持った。顔がタイプだとか、そういうことはないけど(別に嫌いな顔ではないが)、なんだか面白そうだった。


まさか、この後、25年以上付き合っていくとは思わなかったけど…



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