表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dear My Doctor  作者: 美月沙紀
3/17

新入生歓迎ランチ1

僕と、その他2人の新入生が連れて行かれたのは、大学から徒歩10分程の、洋食屋さんだった。


「こんにちは〜!」

「ああ、沙紀ちゃん、みんな来てるよ〜。奥の席、どうぞ。」


マスター(と思われる男性)が向いた方向を見ると、すでに6名の客が座ってお喋りをしていた。


「お、美月、ご苦労さん。ちゃんと3人連れてきたじゃん!えらいえらい」


背の高い、ガッチリとしたラガーマンのような男性が、ニヤニヤしながらこっちを見て言った。


「頑張ったんですよ〜。さ、3人ともこっち来て座って!」


美月さんに促されて、僕たちは席についた。僕の正面に、彼女は座った。そして、僕の顔を見ると、ニンマリと笑った。にっこりではなく、ニンマリと。


「僕たち、もう注文したから、みんなも食べるもの決めて。聞いたかもしれないけど、新入生はおごりだから、好きなものどうぞ!」


ラガーマンがそう言うと、僕の隣に座った新入生の女子が、「いいんですか?じゃあ、高いもの食べちゃおー!」と、目をキラキラさせてメニューを覗き込んだ。先輩達の前で、そういうこと言うか?普通…(-_-;)


「どうぞどうぞ。他の2人も、好きなもの選んで!」


美月さんがニコニコしてそう言った。今度はニコニコ。もともと笑い顔っぽいが、その表情が、ニンマリしたりニコニコしたり、忙しく変わっていく…。



注文が済んだあと、自然と自己紹介タイムに突入した。まず、ラガーマンが口火を切った。


「はじめまして、医学部四年生で部長の、佐藤真吾です。出身は愛知で、一浪してます。みんな現役?」


「私も一浪です!」隣の女子が言った。その向かいのもう1人の新入生の男子は、「僕は一応現役ですけど…」と答えた。一応ね…、この謙遜の仕方、いつも引っかかるんだよな…。


「君は?」ラガーマンが僕を見て言った。


「僕は…2浪ですけど…」

「へぇ、そうなんだ。大丈夫大丈夫、この大学ね、2浪なんてウジャウジャいるから。一回大学出てきた人も多いしね。もとIBMとか丸紅とか、そういう人もいるよ。IBMにいたほうが医者になるより儲かるのにね」


へー、そういう変わり種もいるんだ…


「お、てことは、美月のほうが年は下じゃん♪ 」

ラガーマンが彼女を見て言った。


「そぉですねぇ、そぉなりますねぇ。まぁでも、医学部ではよくある話ですけどね〜」


そうか、美月さん、現役なんだ。頭いいんだな…

あんまり切れ者って感じはしないけど。


「あ、食事きたきた!とりあえず食べよう!」


スパゲティ、オムライス、ハンバーグ、などなどいろんな料理が運ばれてきた。お腹すいてた僕は、ガツガツと食べることに熱中した。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ