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Dear My Doctor  作者: 美月沙紀
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文化祭 3

最近ちょっと体調が良くなってきたので、執筆を再開しました。ぼちぼちやっていきます。

文化祭まで半月ほどになったある日の放課後、私は三杉くん文化祭の発表について話し合うため、部室で彼が来るのを待っていた。


精神科ね…私に関係あるような無いような…


高校生のとき、うつ病に関する本を読んだことがある。どういう人がなりやすいか色々書いてあって、結構自分にあてはまったので、気をつけてなきゃと思ったりはしたが、そんなに深刻には考えなかった。


こわいのは自殺だな…そんなに自分を追い込むことないのに…


今考えれば、当時の私は全く分かってなかった。自分が精神的に弱いのを棚に上げて、うつ病などになる人は弱いからなるのだとも思っていた。ある意味、自己責任みたいに。


…相変わらず、この放課後の時間帯は眠い。う〜、ダルい…


と、ウダウダし始めたとき、「遅れてスミマセン!」とゼイゼイしながら三杉くんが部室に入ってきた。


「すみません、4コマ目、授業長引いちゃって」

「いいよいいよ、私、特に急いでないし」


三杉くんは椅子に座って、少しずつ息を整えた。


「4コマ目、何の授業だったの?」

「ドイツ語だったんですけど…」

「あ、第2外国語ドイツ語なのね。私もそうだけど」

「そうなんですね」

「うん、いや、仕事上は今どきもうドイツ語なんて使わないだろうけど、個人的興味で」

「個人的興味?」

「そう。私、一生に一度はウィーンに行ってみたくって」

「ウィーン?」

「クラシック音楽好きでね、ウィーン国立歌劇場でオペラ観たいんだ」

「へぇ〜」

「三杉くんは、音楽好き?」

「あ、好きですよ。でも、聴くのはもっぱら洋楽ですけど」

「洋楽?誰の聴くの?」

「一番好きなのは、QUEENですね。中学生のときにハマってましてね。やっぱり、あのフレッディ・マーキュリーのカリスマ性は半端じゃないですよね!」


その後、QUEENがどれほど凄いか、どの曲がどういいかなど、彼は延々と喋り続けた。最初のうちは興味持って聞いていたが、私は段々疲れてぼーっとしてきた。

熱心に説明していた三杉くんも、私の反応が悪くなってくるのに気がついて、


「すみません、長々と喋っちゃって…」


と言うと、黙ってしまった。


「…さて、本題に入ろうか?」

私が切り出すと、彼は、ハッとした顔で、

「そうですね!もう時間無いし」

と言うと、急にかしこまった。

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