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chapter8 施設見学の時、どのような点を重視する?

 施設見学の予約の電話を終えた里奈は後ろを振り向くと彰が何かの準備をし始めているところだった。

 彼女は「俺の準備が終わるまで待ってろ」と言われているように察したため、沙耶と一緒に待機する。

 彼が「準備が終わったぞ」と沙耶と里奈に声をかけた。


「さて、施設見学の予約が済んだから、訊きたいことや見ておきたいことをまとめるか」

「そうね」

「うん」


 彼らの前には先ほどまで使っていたパソコンと施設見学先のパンフレットがあり、そこに追加されたのは里奈が市役所からもらってきた介護保険制度について分かりやすく(?)まとめてある資料がテーブルの上に置いてあるからだ。

 それはちょっとした間違い探しのようなものだった。


「パパ」

「あなた」

「ん? 里奈に沙耶、どうした?」

「「これは()()()()()(かしら)?」」

「べ、別に、俺は好き好んで間違い探しをやろうとしたわけじゃないからな!」


 彼女らに指摘されたと同時に祖母は大爆笑。

 女性陣に笑われたりした絡みで彰はふてくされていた。


「それは置いといて、綺麗な建物だね」

「確かにそうね。ところで、そこで何をするのかしら?」

「うーん……」

「沙耶ちゃんも分からないわよね」

「はぁ……私は施設内をじっくり全部見たいなぁ……」

「わたしも沙耶ちゃんと同じく施設内をすべて見て回りたいわ」

「「ねー!」」


 そのような中、沙耶と里奈は施設のパンフレットとホームページを見ながら楽しそうに話している。

 彼は彼女らを見て、真剣に考えているではないかと思っていた。

 彰も里奈達につられてパンフレットを眺めている。


「簡単な説明は載っているが、本当に写真だけだと、どのような雰囲気なのか分からないからな……」

「「そうでしょう!」」

「あとはスタッフや入所者の様子も見ておきたいところだ」

「あなたは()()()()()なのね」


 彼はパンフレットとホームページに載っている写真を見比べながら、「うーん……」と悩んでいた。

 一方の里奈はその隣で微笑みを浮かべている。


「まぁ、お袋のことだからな。実際に見学に行ってみて馴染めるかどうかは俺にも分からないからな。ところで、里奈や沙耶も雰囲気重視のところは同じじゃないのかと思うぞ」

「そうね」

「そうかもしれない。でも、過ごしやすい環境は大切だよね?」

「そう言われてみればそうだな」


 最終的に今現在の今井家の重視するポイントは「雰囲気重視」という共通するところだった。

2018/12/14 本投稿

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