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chapter7 施設の見学、行く?

 現在、認知症を発症している祖母の介護は彰と里奈、沙耶の三人では限界を感じていた。

 なぜならば、認知症による症状の一つである徘徊への対応が特に大変になっているからだ。

 ただでさえ、自分達の生活だけでもいっぱいいっぱいなのに、それに加えて祖母の介護もあるため、家族の負担が増える一方となっている。

 一応は「施設に入所」という選択肢も入れて、異見(いけん)があるかもしれないと感じていたが、意外にもあっさりと今井家の答えは「施設に入所」で一致。


「施設に入所できるのは要介護認定で「要介護3」以上からが多いなぁ……」

「そうね……ん? 「施設見学及び介護相談を承ります」?」


 彼らはパソコンで家の近くの介護施設を検索かけていく。

  里奈はとある施設のホームページには「施設見学及び介護相談承ります!」と目立つように表示されていることに気がついた。


「どうした?」

「この施設は介護相談ができるのよ? 事前に予約しなきゃならないけれど」

「なるほど」

「一度でも見学とかした方がいいのかもしれないわね」


 祖母の介護の状態は徐々に負担が増している。

 なぜならば、認知症による妄想やせん妄はもちろんのこと、特に彼女の徘徊への対応が大変になってきているからだ。

 ただでさえ、自分達の生活だけでもいっぱいいっぱいなのに、そこに加わる「介護の負担」。

 これからさらにその症状が進むと、誰ががつきっきりで見守らないとすぐに外に出ていってしまうことが考えられる可能性があるため、かなり大変になってしまう――。


 その大変さを知っているのは里奈だ。

 彼女は現在祖母の介護のため、仕事を休業しており、家事と介護を両立している。

  里奈の介護の知識に関しては「ド」をいくつもつくくらい素人なので、誰にも相談ができずに悩んでいた。

 「施設を見学できる」ことや「介護の相談を受け付けてくれる」ことは、今の彼女にとっては立派な助け船でもあるのだ。


「あなたに沙耶。時間を合わせて施設の見学に行きましょう?」

「そうだな。沙耶も受験の息抜きに行ってみないか? 将来のためにさ」

「うん」


 彼女らは全員の予定を調整し、里奈が電話で施設見学の申し込む。

 それは翌週の土曜日の九時に決定し、いろいろと訊きたいことや事前にパンフレットを見て、確認しておきたいことをまとめていくのであった。

2017/11/10 本投稿

2018/05/02 加筆修正

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