俺の部屋にいる宇宙人が、どう見てもハムスターにしか見えない
またもや宇宙人ネタです。
『おい、起きろ、朝だぞ』
ベッドで寝ていたら声をかけられた
「んーもう時間か...」
目覚まし時計に目をやると起きる時間だった
起き上がり、声の方を見てみると
勉強机の上でハムスターが自分用の小さな椅子に座り、専用の小さなカップ片手に
これまた自分用の電子パッドを熱心に見ていた
まるで食卓に座りながらコーヒー片手に新聞を読むお父さんだった
「お父さん、おはよう」
『ばかもの、だれがお父さんだ』
こちらを見ずに突っ込みが入る
ちょっとしたギャグなのに律儀だね
高校の制服に着替えながら声をかける
「なにかいい記事あった?」
『きょうの天気は午後から雨が降るようだ、傘を忘れるな』
「まんま、おとうさんじゃん...」
『ばかもん、現地人に我々宇宙人の情報をペラペラ喋るわけにはいかんだろうが、
質問者には反省を求める』
そう、目の前にいる、どうやってもハムスターにしか見えない御仁は
自称宇宙人なのだ
最初は驚いたけど、バスケットボール大の宇宙船?や
専用の小さい電子パッド等々を見せられた上、テレパシーとやらで会話が成立した末
ようやく受け入れた
もっとも本人は俺以外には正体を明かさない方針らしい
なんでまたこんなに身体のサイズが違うのに地球に来たかというと
犯罪者を追ってきたとのことだった
なんの犯罪かは守秘義務とかで教えてくれなかったが
彼らの中では犯罪で、地球からしたら特に害はないそうだ
まあ、彼らからしても必死に追いかける必要がないが
一応居所くらいは調べておけくらいのくらいらしい
詳しくは教えてくれなかったが、一緒に暮らしていると
それくらいはなんとなく察することができる
それに自分の分の食事は自分で用意するので部屋においてくれればよい
それ相応の礼はするとのことなので
こちらとしてもまあいいかくらいの感じでOKした
だって宇宙人と一緒に暮らせるなんてめったにないことだからな
しかし、その考えが間違いだった
波乱万丈な高校生活が始まるわずか
1時間前の話だった
おわり