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どうか、神さま  作者: 大石ゆう
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巡り合わせ


10月になるとなんだか急に肌寒さを感じた。


朝になり僕はカーテンの隙間から差し込む太陽の光で起きたのだった。


「起きました?今日は検診の日ですよ?」

と看護師さんは言うと勢いよくカーテンを開けた。一気に太陽の眩しい光が僕の病室に広がり明るくなる。


検診の日は朝から色んな診察をしなければいけない為朝食は無く、すぐに車椅子に乗らされる。朝から早い割りには半日掛かる為僕は検診の日の朝ほど目覚めの悪い朝はない。


看護師さんと病室を出て、エレベーターで

診察室のある階に向かった。

エレベーターの扉が開いた瞬間何やら甲高い泣き声が聞こえてきた。

驚いた看護師さんと僕は顔を見合わせエレベーターを降りた。

すると、目の前の待合室で大泣きしている少女がいた。

「あの女の子どうしたのかしら?」

「…さあ…。」

心配そうな看護師さんとは裏腹に僕は興味がなさそうな返事をした。

しかし、診察室に行くには待合室を通らなければならなかった。

そして、少女の前を通る途中今までうつむいて泣いていた少女が急に勢いよく顔を上げたのだった。

驚いたのは看護師さんと僕だけでなく

周りにいた他の患者もだった。

「ぅゔゔ、っひっっくっっ。ゔぅぅ…」

何を言う訳でもなく、いや、泣き過ぎて喋れないようだった。

ただじっと僕を見つめてひっくひっく言う少女。

「早く診察室行きましょう。」

「…え?えぇ。でも…。」

僕は戸惑う看護師さんを無視をして行くことにした。


しかし、なぜか少し進んだ時だった。

今まで全ての事に無関心だったはずの僕がなんだか少女の事が気になり始めたのだった。

(なんで、いきなり泣き止んで僕の顔をじっと見たんだ?そもそも、なんであんな大泣きをしていたんだ?)

頭の中には少女に対しての疑問が次々と湧いてきていた。

人は1度気になると物凄く気になるものだ。


そして、僕は車椅子で後ろに下がり少女の目の前で止まり声を掛けた。


「何がそんなに悲しくてな泣いてるんだ?」

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