5話
俺達を待ち構えていたのはお宝。
そうある意味で言うお宝、 機材達だ、俺はカメラにくわしくないが一通りの物はそうだ。
これで部員さえ揃えば何とかなりそうだ。
「よーし、じゃあこれもっていくか」
比較的重そうなものを俺が持って軽そうなのを凛が持つ、 これは差別ではない! 男女の力の差を考慮した区別だ。
そう自分に言い聞かせ、不満を押し込める。
部室までのやけに長く感じてしまう道のりを歩き、 若干の汗をかきつつ部室のドアを開ける。
ガラララ
ドアを開けると教室に二人の少女がいる、一人は長い髪に軽くパーマがかかっていて、 たちずまいからしてどこかのお嬢様のようだ。
もう一人は髪が肩に届くか届かないかぐらいのミディアムヘアーで真顔で突っ立ている。
「えっと……なにか御用ですか?」
そういきなりの訪問者に動揺しつつも声に出す
「私達、 映像研究部に入りたくてきたんです!! あら、先輩かなとおもったのですが、どうやら同じ一年生のようですね~ふふ。 上履きみちゃいました。ふふ。」
俺達の学校は上履きの色が学年ごとに別れていて、俺たちの学年は青色なのだ。
それにしてもこのしゃべり方ますますお嬢様っぽいな……。
「なるほど、ようこそ映像研究部へ! っといいたいところだが今2、3年生がいなくてな、俺達だけなんだ。」
「そうだったんですね! では同じ一年生同士頑張りましょう!ふふ。 あっ失礼いたしましたわ、私は 野々瀬 千花と申します。 よろしくお願いしますね。 こちらにいるのが」
「小鳥遊 春」
そう透き通った声で名前だけを告げる
「春は別に敵意があるわけじゃないので誤解しないでくださいね?」
「あっあぁ大丈夫だ、俺は春風 空だ、よろしく頼む」
「私は 上崎 凛よ、よろしく」
「っで自己紹介も終わった事だし、そろそろ機材をおろしても良いか。腕がプルプルだよ」
自分でもすっかり忘れていたがおれは重い機材を運んでいる最中なのだ、これは明日、筋肉痛かな……。