最後の戦い 最後の奇妙な体験
自分の腕時計を確認しながら、あの日の事を思い返す。
本当に止める事が出来るのか?
止めるったって、どうすればいい?
そんな事ばかり考えていた。
そうこうしてる内に玄関の前に突然奴が現れる。
「びっくりした。家の横の電柱に隠れてて良かった」
それにしても、いつどうしろっていうんだ?
まぁこれだけは勢いか。
もう少し、様子を見よう。
十分は経っただろうか。
多分、もうそろそろ出てくるな。
すると、家のドアが開いた。
「来たか」
ずっと見ていると、もう一人の自分がこっちを見てきたのが分かった。
「やべっ 急いで、隠れたけど見られたかな?」
あっと思い出す。自分もあの時、電柱に何かあると思って確認した事を。
まさか、正体が自分だとはな・・・
て、事はあの変な黒いマント集団もあいつの仲間か。
してやられたな。
まぁその黒マント集団も目の前に居るんだが・・・
広場に行くのか。追いかけよう。
慌てて追いかける。
広場に着いた頃には、もう一人の自分は宙を浮いていた。
「やばい。間に合わない」
すぐ下まで来た俺は、唖然とした。
飛びたいと強く願ったのが叶ったのか俺は空を飛んでいた。
二人の後を追うように俺は飛んでいた。
「よし、雲に乗れたぞ。これで一安心だな」
前を歩いていた、奴ともう一人の自分。
気付いたのは奴だった。
「うん? 誰か後ろに居るな。何っ!? 何故、悠斗が二人も居る?」
「久しぶりだな。何故かは知らないけど、過去に飛んできちまったみたいだ」
(どろどろどろ)
もう一人の自分がマグマに入ったかのように溶け始めた。
「同じ人間が二人現れた事で、こっちの悠斗は溶けたみたいじゃな。それにしても、飛んできた方が無事とは」
もし、溶けるのが俺だった時の事を考えるとぞっとする。
「と言う事は悠斗 全て知ったのじゃな?」
「ああ・・・」
「バレたのなら仕方ない。覚悟しろ」
「ええっ!?」
その瞬間、明らかに奴は顔が変わった。
そして、右手には黒い包丁が。
その時、自分の身体から力を感じると同時に日本刀が俺の手から現れる。
「もしかして、俺の力ってこういう事なのか?」
「そうみたいじゃな。これが、ランダ様の求めていた力か。納得したぜ」
迷いの無いその目に俺はこれまでにない圧迫感と恐怖を感じた。
それと連動するように、空は暗くなっていく。
奴が迫ってくるのが分かった。俺は無我夢中で日本刀を振り下ろす。
俺の夢中の叫びが届いたのか、奴の黒い包丁を簡単に切り裂き、奴の身体をえぐるように切り裂いた。
「くく、くあああああああああ」
これが、奴の最後の声だった。
「はぁはぁはぁ」
滴り落ちる血を見て、罪悪感にかられる。
「本当に俺は人を殺したのか・・・」
それだけが俺の頭に残る。
「くよくよしてても、いられないか・・・ あいつらはもっと悪い事を企んでいるらしいしな」
そう言い聞かせ、あの黒い扉を開ける。
「まさか、あいつが殺されたか」
こいつも、殺さなきゃダメって事かよ・・・
荷が重すぎる。
「え、え、どういうことだ? ランダとかいう奴の手が溶け始めた?」
「俺も終わりか。俺とベルムンクは二人で一つ。あいつが死ねば俺も消える。当然だ」
と言うと、全身を光が包み消えていった。
「お、終わったのか...」
どうやら、終わったようだ。
今では普通に暮らしている。あの時の事が嘘のように。
まだまだ、友達は作れそうにないけど
でも、いつか作れる日が来るまで、頑張ろうと思う。
やっとのことで、最後まで書かせてもらいました。
最初、書いてる時はここまでイメージしてなかったんですが、何とかイメージを膨らませてましたww
次の物語も半分まで考えてます。もう少しお待ちください(4月13日現在)