教会の秘密
「早速じゃが、悠斗 ここからは真剣に行くぞ」
なんだ おっさんの雰囲気がいつもと違う。
「ここにもう一人の神様が居るのじゃ」
ここにもう一人の神様が居るのか・・・
「でも、こんな所に教会があるとはな。でも、こんな所にあったら、人間にすぐ見つかるんじゃねえか?」
「この雲だけは少し、作りが違うくての。発見を防ぐため、太陽の反射を使って、教会を隠してるんじゃ」
「聞いた俺が馬鹿だった」
「ほ? どういうことじゃ?」
「もっと、頭が痛くなった」
「はは それはすまんかったのお」
こいつ、絶対反省してねえ。
「よし、準備は出来たか?悠斗」
「全然出来てないけど、覚悟は出来てる」
「そうか それじゃ行くとするか。 ふふ」
おっさん、今、笑ったのか?
何か奇妙だな。まぁ訳分からん神だから気にしないでよさそうだな。
この安心がまさかあんな事態になろうとは悠斗は想像もしていなかった。
教会に近づくことに暗くなる空。
近づくことに存在感を放つ教会。
不気味という言葉では表現できないほど、凍てつく風。
全てが不気味だった。
「本当に不気味は所だな」
「ああ、私が恐れるくらいじゃからのぉ」
「そうみたいだな」
真っ黒に塗られたドアをおっさんが開ける。
中は意外に殺風景だった。
それでも、床や壁、天井は黒く塗られていたけど...
唯一、家具といったら牧師が本を読むときに置いてある、机のような物。
ただ一つ。
「おい おっさん。誰も居ないみたいだけど」
「いや、目の前におるぞ」
「え?目の前って、変な机があるだけじゃないか」
次の瞬間、円を描くように風が巻き上げたと思うとすぐにやみ、そこに一人の男が現れた。