黒マントの集団
外の方が話しやすいと、言われたので外に出る。
外を出た俺は、電柱から見え隠れしていた影が気になっていた。
「どうした? 悠斗?」
「いや、なんでもないよ」
でも、何かさっきの影、僕を見ていた?
まぁ考えても意味ないか・・・
「で、おっさん、これから何するんだ?」
「そうじゃなあ。それじゃあ今の問題について簡単に説明しよう。簡単に言うと、時間が巻き戻っているのじゃ。それくらいは分かるか?」
「ああ。なんとなく」
「それでじゃ、時間を戻しているのは誰じゃという事じゃが、それがわしと対となるもう一人の神様のせいなのじゃ」
「もう一人のねえ」
「うむ。と言う事でさっそく、その神様の元に向かうとするかのぉ」
「いきなりかよっ。てか、移動手段、あるのか?」
「ない」
「おいおい。それじゃどうやっ・・・」
と、言いかけた時、黒マントの怪しい連中が現れた。数は目で分かるのでだいたい、6,7人ぐらいの集まりだった。考える時間もなかった。
「悠斗、逃げるぞ」
「えっ 逃げるってどうやって?」
「こいつらは、光がある所では移動が出来ないのじゃ。だから、広場のような光が当たらない所があったらいいのだが」
「すぐそこに広場があるぞ」
「よし、それじゃそこに行こうとするか。悠斗、案内してくれ」
「ああ。分かった」
僕達は急いで、広場に向かう。
ちょうど、影も掛からないほど広い広場だったので、何とかなったようだ
「本当に追いかけてこないな」
「ああ、当たり前じゃ」
「ちょっと待て よく見たらでかい鎌みたいなの持ってるじゃないか」
「今まで気付かなかったのか?」
「当たり前だろ。逃げるので必死だよ」
「まぁしょうがないのぉ」
「えげつねえな」
「よし、それじゃ、一気に突き抜けるんじゃ」
「え?突き抜ける!?」
「ああ 上へ行くのじゃ」
「おいおい、上って雲だぞ」
「正解じゃ。それじゃ掴まっておれ」
僕は訳も分からず、とりあえずおっさんは掴むことにした。
次の瞬間、僕の体はふわふわと浮いた。
今、俺は宙を浮いているのだ。
後、少しで雲を突き抜けるという時にある事を思いだした。
「てか、俺、高所恐怖症じゃねぇかよおおおおおおおおおお」
「大丈夫じゃ。もうすぐ着くぞ」
その言葉の通り、雲を突き抜けると、そこには黒いオーラを放った教会があった。
ちょうど、雲と垂直に教会が建っていた。
「おいおい、どこに直地するんだよ。おっさん 早く降ろせえええええ」
「分かった 分かった 本当に苦手なのじゃな」
「て、雲に降りるのか?」
「ああ、そうじゃが」
「いやいや、おかしいって。降りれるはず...」
文句を言っていると、僕は自然と雲に着地していた。
「く、雲に乗ってる...」
「私が近くにいる時だけ、雲は質量を持つのじゃ」
「こんな混乱してる時に言われても分かるかよ」
「それもそうじゃな。ははははは」
ったく、こっちは笑ってられる状態じゃないっていうのに。
こんな神様で地球は大丈夫なのかよ。