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枯れ花に口づける鬼  作者: 夢咲 紅玲朱
屍食鬼編

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十六夜 龍胆の過去


『立派な洋館だな、龍胆さん』


穢土城の門を初めてくぐったとき、白木蓮は感嘆の声をあげた。


異国の文化に追いつくため、穢土城はその内部を作り変えた。偉人を迎えるため、オペラなるものを聴く会場まで建っている。


『そうか? 外見は武家らしいままだが、内面はまるっきり異国に染まりすぎている。果たして我が国の城と言えるのか、俺は疑問だ』


龍胆は淡々と評価すると、与えられた詰め所までロングブーツの音を響かせ、中庭を闊歩する。時折すれ違う女中たちは黄色い声を上げ、龍胆を舐めるように見つめていた。


『なんだあれは』


白木蓮はため息を付く。


『軍服が珍しいんだろう。放っておけ』


龍胆は言う。どう見ても黄色い声の矛先は龍胆だ。だが本人はまったく気づいていない。


龍胆は自己評価が低いところがある。初めて出会ったときからそうだった。


やがて、詰め所へ到着すると、整列した軍人たちに出迎えられた。


『怪異討伐隊、集合しました!』


その真正面に立つ龍胆。少し離れたところへ、副長である白木蓮は立つ。


『本日から隊長を務める十六夜いざよい 龍胆だ』


開口一番、龍胆は鋭い眼光でこういった。


『全員たるみすぎだ! 服装といい、休憩所といい、汚すぎる。整列もできていない。筋力不足も見え見えだ』

『はっ』

『今から貴様らをとことんしごく。ついていけない者は置いていくから覚悟しておけ!!』

『は、はいぃっ!!』


隊長に就任し、半日も立たないうちに、龍胆は『鬼』と呼ばれるようになったのだった。



怪異討伐隊は幕府直轄ではない。穢土を夜な夜なそぞろ歩きするあやかしに手を焼いていた幕府を見かねた帝が、自ら結成され将軍へ『贈り物』として献上された部隊だ。


権限は帝にある。また、怪異の扱いに慣れているため、幕府は隊士たちの好きなようにやらせていた。




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