〜ハクの幼き頃〜
七話目投稿になります。
赤竜との戦いを終え、
少しばかりハクの過去の話です。
【七話 ハクの幼き頃】
「ハク!ハク!大丈夫であるか!」
「サツキさん私が治癒しますね〜サツキさんもソラさんと寝てて下さいね〜」
「悪い…な、ミミ…」
「全く何してるのですか〜無茶はいけませんよ〜」
「ミミ…お前も顔色が悪いぞ…」
「ソラもサツキさんも瀕死でしたからね〜それはそれは魔力も尽きてしまいます〜」
「2人は…無事…なんだな」
「こらこら〜今は自分の心配ですよ〜」
それから間もなく意識を失い、
気がつくとベッドに寝ていた。
「ここは宿屋…なのか?」
「コンコンッ。入るぞ。おお、目が覚めていたか。今回の討伐ご苦労であった。」
「親父…何しにきたんだよ」
「おい貴様!騎士団長に無礼だぞ!」
「サツキも無事だったんだな。良かった。」
「これを無事と言うものが居るとは呆れた奴だ。」
「ソラとミミは!?無事なのか!?」
「隣の部屋で寝ている。心配するな。だが感謝しておけ。私と貴様をあの2人が連れ帰ったのだ。」
「ゴホンッ。それでだ、ハク」
「今度、式典でハクとその一行に勲章が授与される運びとなった。」
「それをわざわざ言いに来たのかよ。」
「ハッハッハッハッ。そんな口が利けるならもう大丈夫だな!」
「貴様、あの巻物はなんなのだ?」
「あぁ、あれか。あれは昔、九尾の祠で見つけたものだ。サツキと2人で探検したあの時だよ。覚えてないのか?」
「貴様!あの封印を破ったと言うのか!?」
「あの祠には代々封印を解除しようと何人もの強者が挑戦したが、皆大怪我をして戻ってきておったわい。それをたった10歳で結界を破るとはな。」
「偶然だよ。偶然。」
「そんな事があったとは聞いてないぞ!」
九尾を呼び出すのに相当な魔力を使い、
暫くは起き上がれなくなり、
命を九尾に吸い取られてしまう。
極めて危険な代物だ。
九尾が言っていた、"たっぷりのお礼"とはこう言う事なのだ。
ともあれ皆無事で良かった。
式典はまだ先だ。回復を優先しよう。
異世界に転移しながら過去の記憶を
持っているとは不思議です。
この後の展開もお楽しみに。