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代償  作者: 月明かり 桜月
1/17

1. 9人目

正直言って、作者の私でもつまらないと思って書いております。でも後から面白くなると信じています。

一つ一つはとても短いですが、かなり長い作品になる予定です。かなり大幅に書き直すときがあるかもです。誤字があればすぐに修正します。

赤野あかの 唯奈ゆいな - - -



いつもは仕事だが、サボってみた。

学校から帰ってきたら、残りの時間はほとんどが仕事だ。何故?


言いたくないから言わない、と言ったら嘘になってしまうかも知れないが、詳しいことはいつか無理にでも話さないといけない時が来るだろう。


私は親がいないのだ。だから店長が私を育てている感じなのだが、仕事に無理矢理連れて行かされるばかりだ。大変なのに、お金はあまり貰えない。嫌いだ。本当に。



私は外を歩いていた。高校生くらいの男性から話しかけられた。


「お前は、命を手に入れ、自由を失った。」


と。

なにを言っているのかまったくわからない。

当然だろう。「すいません」も、話しかけた理由も言わず。そう思うのが普通だろう。私は普通じゃなかった。

その人が、どういうじんせいなのかがわかったのだ。

人生といっても、生まれてからのことが全てわかるわけではない。


なんとなくだ。なんとなくだが、この人の事がわかるのだ。どこかで会ったわけでもないし、見たこともないけれど、


この人は、永遠を手に入れ、幸せを失っている。

だけど、この人が言っていることは全くわからない。

たしかに私は、命を手に入れ、自由を失った。命を貰い、好きなことをする暇もない。


、、、なぜ知っている?店に来たことがあるのか?でも、この人は常連客ではないのは確かだ。店の前を何回も通り過ぎていないのも確かだ。そういう人の顔は、自然と覚えてくるものだ。それとも、私の噂が流れているのか?


「こっちに来てくれないか?」


まあ、どうして知っているのかも気になるし、店長から見つかったら困る。しかたがない。言い訳は後で考えよう。


「お前、名前はなんだ。」


、、、、、、。そこは自分から名乗ってくれ。


「、、、赤野あかの 唯奈ゆいなです。」


偽名を伝えればよかったと後悔している。



そこから男は、なにも話さなかった。名前くらい教えてくれてもいいのでは?

二十分歩いたのに。


「ここだ。」


なにが?目的地が、ということだろう。


そこは、私が住んでいる所では有名な豪邸だった。青と白で作られた、城だった。

門の近くには   青野あおの  と書かれている表札があった。


「まぁ、入れ」


この人の家なのか?そしたら色々な意味で尊敬してしまう。玄関までが長い。20メートルくらいか?


玄関まで、あと数メートルのところで扉が開いた。

私より、少し背が高い少年が出てきた。


「ひのさんお帰り。その人は誰?」


少々早口で言ったその言葉には、感情が入っていなかった。

ひの と呼ばれた男が口を開いた。


「唯奈、紹介する。こいつは羽野田はのだ りゅうと言う名だ。下の名で呼んでやれ。」


初対面だし挨拶した方がいいよな。


「こんにちは。龍さん。」

「よろしく、唯奈。いらっしゃい。歓迎するよ。どうぞ入って。」


挨拶の言葉にすら、感情が入っていなかった。だけど、歓迎?どういうことだろう。足を踏み出す。玄関がここまで広いところは見たことがなかった。広すぎて逆に引く。


「さぁ、あがって。」


靴を脱いで龍に付いて行くことしかできない。

階段をあがってすぐの扉を龍が開けた。その部屋には、大きなソファが5つほどあった。その一つに女が座っていた。


「おかえり~、ひの。お?あんた、女子?」


私のことだろうか。


「はい。」

「よっしゃ!大歓迎 大歓迎!!龍、お疲れ。戻っていいよ。」


龍は小さく頷いて、扉を閉めて、部屋をあとにした。それに付いて行くように、ひのと言う男も部屋をあとにした。

女は私をソファに連れて行き、座らせた。女は私の左に座った。


「いやぁ~、女子でよかったよ!ここ女子2人しかいなかったからさ、不安だったんだよね~。あ、そうだ、あんた、何て言うの?」

「、、、赤野唯奈です。」

「よろしく!唯奈!あたしは、青野おおの りくって言うんだ!あんた何歳?あたしは17。」

「私は12です。」

「えぇ!もうちょい上かと思った!そこにいるやつは、16だよ。」


え?この部屋、2人だけじゃ、、、。





いた。

部屋を3回見渡して、ようやく気付いた。ソファの一番右に座っていた女は、こちらの話に耳を貸していなかった。寝ているのだろうか。なんか、少しかっこいい。横顔と、後ろに縛っている髪の束がいい感じだ。


「そいつは、あおいって言うんだ。あぁ見えても男だよ。」



「い、意外です。」

「だろ?そいつを初めて見た奴は、ほとんどがそういう反応だ。」

「あ、あの」

「どした?」

「私は、何をしに、ここにいるんですか?」

「は!?あんた、何も知らないでここに来たの!?」

「は、はい。説明は何一つ聞かされt」

「え?ひの、説明しなかったの!?」


小さく頷く。


「マジか~。じゃ、説明、蒼。」

「嫌なんだけど。」


驚くほどの即答だった。ていうか寝てなかったんかい。


「そんなこと言うなよ~。お前のほうが、あたしよりも分かってるだろ?」

「、、、まぁいいや。、、、お前、唯奈つったな。」

「はい。」

「ついてこい。」

「あ~、ごめんね唯奈。そいつ初対面に冷たいんだわ。」


まぁ説明を断った時に、そういう雰囲気は感じていた。


「うるせぇ。」


蒼はそう言って、部屋の扉を開けた。


「まぁ、根は優しいから、部屋に連れ込んで、あんなことやこんなことは、しないと思うけど。」

「するわけねぇだろバカ。ほら、来いよ。」


言われた通りについて行った所は、金持ちが寝ていそうな寝室だった。

まさかここで伏線回収あんなことやこんなことか?と思ったが、そんなことはなかった。というか、今までに伏線らしい伏線が、一切ないのだ。おそらく作者は、伏線を張らないで、いきなり急展開を起こすだろう。


「そこの椅子に座ってくれ。」


座った椅子の向かい側には、もう一つ椅子があり、その間に机を置いていた。蒼は、向かい側の椅子に座った。


「急で申し訳ないが、お前、兄弟はいるか?」


本当に急でびっくりした。


「、、、いません。」


その情報が、何かの役に立つのだろうか。蒼が大きく息を吸って言った。


「あまり、驚かないで聞いてほしい。まぁ、驚くのも無理はないと思うが。お前の母親、赤野杏奈だろ?」

「え?なんで、、、。」


また、蒼が大きく息を吸って言った。


「お前、俺の妹だろ?」


作者め。本当に急展開を起こしやがった。


「兄弟は、いないです。」


それしか言う言葉がなかった。


「あれだ、分かりやすく言うと、生き別れた兄妹ってやつだ。」


訳がわからない。


「じゃあ、どこで?」


「こっからちょっと俺の話に入るな。俺には、母さんと父さんと妹がいたんだ。俺が3歳、妹が生まれたすぐ後に、親が離婚して、俺は父さんに、妹は母さんに引き取られたんだ。妹の名前は、唯奈だ。俺の家は、父さんの苗字にあわせて、加野江田かのえだになった。母さんの元の苗字は、赤野っていう。離婚したから、お互いの苗字も戻って、赤野になったんだろうな。お前の親が離婚してなかったら、お前は加野江田唯奈になっていたはずだ。」


でも、


「私の父は、自殺したと聞いています。」


声に出すしかなかった。嘘は言っていない。真実だ。


「お前から、記憶をなくすためだろう。俺も、父さんから、そう聞かされている。母さんと妹は病気で死んだって。3歳の時の記憶だけど、母さんと妹がいたことくらい、覚えている。」


そういえば、


「私の家のアルバムに、私と、父と、母と、もう一人、幼稚園生くらいの、男の子が写っている写真があります。あれは、貴方ですか?」

「あ~。多分それ、俺だわ。」


もうこれは確定しても文句は言えないな。


「まさか、本当に妹だとは思わなかったけど、赤野という苗字と、唯奈という名前があるんだ。間違いないだろう。」


まぁ、兄弟がいても、悪いことはないだろう。





加野江田かのえだ あおい - - -



「突然で、申し訳ないと思ってはいるんだ。言うのは、まだ先でいいと思っていたんだけど、抑えられなかった。あと、皆には、秘密にしてくれないか?皆、一人ひとりが、辛い事情を持っている。そういう話は、したがらないんだ。あ~そうだ。お前がここにいる理由だったな。」


う~ん。何て言えばいいのだろうか。


「お前は、何を手に入れて、何を失った?」


この質問は、あんまりしない方がいいんだけどな。


「私は、、、、命を手に入れて、自由を失いました。」


敬語じゃなくていいって言っても、断るだろう。


「そういう、○○を手に入れ、××を失ったこと、俺達は、代償って呼んでる。ここにいるやつは皆、別々の代償を持っている。お前も、代償を持っているなら、このチームに入ってくれないか?チーム名は、まだ決まってないけど、、、。」


結構分かりやすく説明したつもりだけど、わかっただろうか。


「このチームには、何人が入っているんですか?あと、ここのチームは、何をするんですか?」

「お前を入れて、今のところ9人だ。で、活動内容は、代償を持っている人全員を集める。代償を持っている人のほとんどが、この世界では、居場所が無いんだ。俺達は、そういう奴に、ちゃんと居場所があるって、教えてあげるために、このチームを作った。最大で何人いるかは、俺は知らない。」

「結構ちゃんとしてますね。」


その表情は苦笑いだったけれど、伝わったということでいいのだろう。


「次に聞きたいこと、この家は、誰が所有しているんですか?」


回答が難しい質問だな。


「さっき会った、青野陸のじいちゃんが所有してたけど、何年か前に、亡くなって、今は陸の父さんが所有者だ。あいつの家系は、大企業で、金持ちでな。本当に大企業だから、金が無くなるなんてことは無いと思うが、、、。あぁ、俺達がここに住んでるってことは、報告済みだ。安心して過ごせばいい。」


「じゃあ、最後の質問です。」

「お、最後か。なんだ?」


唯奈は、息を吸って、吐いて、吸って、、、


「私が、ここで住みたいって言えば、どう返しますか?」


最後がそんな簡単な質問でいいのか?


「大歓迎だ。」

「、、、ありがとうごさいます。」


言葉に力は入っていなかったが、妹の笑顔を、初めて見た瞬間だった。



ここから面白くなる、はず。

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